
展開傾斜型競馬予想part.12:2025ヴィクトリアマイル 展望
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出走馬の指数に対し、展開に応じてより力を発揮できる馬を探していく競馬予想。従来の「展開予想」をより論理的に解説するような記事を目指していきます。
今回はヴィクトリアマイルの展望となります。まずは出走予定馬18頭(除外想定馬を除く)の近5走における指数一覧表をご覧ください。参考データとして、過去5年の勝ち馬の指数も合わせて掲載しておきます。

アーモンドアイやグランアレグリアといった出禁レベルのスーパーホースは別格の指数ですが、この指数自体は2016年のストレイトガールや2019年のノームコアも迫る数字として叩き出しており、2022年、2023年が伸び悩んでいるのはペースの影響が大きいです。昨年はペースが流れ指数を伸ばす契機ではありましたが、ナミュール以外は指数の打点も低く、最上級マイルの追走経験も乏しいメンバー。そのナミュールさんがポカを働き、結果的には大穴のテンハッピーローズが馬券内となりました。当馬は後半3F火力だけで言えばナミュールをも上回る豪脚の持ち主で、非G1馬がこのレースを勝つ際は後半3F火力も高い馬というケースが多いです。ペースが緩めば上がりが求められるのは当然ですが、高い後半3Fが出るという事は位置取りも後ろになっている場合が多く、ペースが流れるほど有利に働くというのもあります。位置取りに使う脚と末脚はトレードオフの関係にありますから。
前述の通り、2022年と2023年はペースが上がりきらなかったとはいえ、今年はソダシやソングラインを上回る指数を出している馬が4頭と、メンバーレベルはまずまず高いと思います。上位20例中14例で4歳馬がランクインしており、ドゥアイズがこのまま除外となれば昨年に出走した馬が1頭も居ないメンバー構成となりますから、昨年とは一転して高レベルの指数決着となるレースに期待します。
中でも注目しているのはアスコリピチェーノ。3歳9月時点で既に過去3年の指数を上回っており、成長曲線を考えても、マトモに走るなら一強ではないかと見ています。前走の1351ターフスプリントは日本式のタイムに換算すると1:16.67となり、1400m換算で1:19.45の好タイム。追走力型スプリンターのウインマーベルが厳しいラップを刻み、それを好位から先行して差し切ったというのは価値が高いです。ウインマーベルのキャリアハイ指数は113という点を鑑みても、指数や追走力は申し分無いと思います。加えて、3走前の京成杯オータムハンデは後方から差し込んで2着のタイムトゥヘヴンと個別ラップ上で0.1秒しか3Fタイムが変わらず、同馬より1.5キロ重い斤量で叩き出したという末脚火力の高さも魅力です。
指数上ではトップのラヴェルですが、前走の大阪杯は着順から見てもやや参考記録でしょう。それでも勝利時の指数でトップに立っている点は評価できるポイント。ドスローではありましたが、2歳時に同コースでリバティアイランドに勝っているというのも強みです。そのアルテミスSでは上がり3F33.0の豪脚を見せており、ゆったり走って3Fの火力を活かすのは2着となった昨年のエリザベス女王杯でも見せています。近2走は淀みなく流れるペースに苦労しており、1600mは忙しいレースとなる可能性こそありますが、昨年のチャレンジCも含めた近3走は追走ペースが抜群に早いレースとなり、そこでしっかり鍛えられた分のブレイクスルーに期待したいです。今回騎乗する津村騎手は母サンブルエミューズの主戦でもありました。母の仇を子が打つ展開になると面白いです。
レース単位だと昨年の秋華賞の上位入線馬の指数の高さが目立ちますが、ボンドガールとステレンボッシュは同格と見ています。差が出るのは距離の部分で、1600mであれば前者、2400mであれば後者が優位に立つでしょう。ただ、2頭とも厳しいペースの追走経験が乏しく、ステレンボッシュの大敗の要因となったのもここになります。実際問題、ステレンボッシュ自体はスターズオンアースと似た指数推移ではあり、13着であっても指数自体は同馬の大阪杯(ハナ差2着)と同程度ではあります。相手関係が手頃になる事で前進はあるでしょうが、追走スピードが上がるマイルへの短縮は印象が悪いです。ボンドガールの前走は掛かったら負けのようなペースなので気性も含めて参考外。上級マイルなら正攻法でも勝負になるのは2走前の東京新聞杯で証明していますし、末脚火力もこちらの方が上。ただこちらも、ペースが上がると正攻法では厳しい印象を覚えます。
追走ペースを上げてパフォーマンスを向上させたのはクイーンズウォーク。前走の金鯱賞ではデシエルトが大逃げのラップを刻みましたが、2番手のホウオウビスケッツも厳しいペースで追走していました。やや自重気味でしたが、それを目標にしながら3番手から差し切ったのは価値が高く、前走でトップハンデの中厳しいレースをさせた経験がしっかり活きているなと感じます。川田騎手はこういう追走経験を馬の成長曲線に重ねるのが本当に上手く、点ではなく線で馬を強くできているという印象です。末脚質はやや5F特化で、3歳時のクイーンCやローズSでも長く脚を使える場面は目立ちました。3Fでもまずまず速く、アスコリピチェーノの二番手として挙げるならこの馬かなと思います。牝馬三冠はアンラッキーな内容でしたが、その上位馬3頭に負けず劣らず、こちらも強くなっています。
初めの方に述べたように、当レースは後半3F火力の高い馬が馬券に絡むケースが多いです。そのため、出走馬の全レース中で後半3F火力が高いレースを10例ほど選出しました。上から順に破壊力が高いです。
1.アスコリピチェーノ:京成杯AH
2.ソーダズリング:三年坂S
3.シランケド:別府特別
4.シランケド:魚沼S
5.ボンドガール:阪神牝馬S
6.アルジーヌ:阪神牝馬S
7.ラヴェル:アルテミスS
8.アドマイヤマツリ:3歳以上1勝クラス
9.ワイドラトゥール:淀短距離S
10.クイーンズウォーク:ローズS
2.ソーダズリング:三年坂S
3.シランケド:別府特別
4.シランケド:魚沼S
5.ボンドガール:阪神牝馬S
6.アルジーヌ:阪神牝馬S
7.ラヴェル:アルテミスS
8.アドマイヤマツリ:3歳以上1勝クラス
9.ワイドラトゥール:淀短距離S
10.クイーンズウォーク:ローズS
先述の5頭の内4頭はここでもランクインしており、個人的にアスコリピチェーノ、クイーンズウォーク、ラヴェル、ボンドガールは4強として馬券的には必ず抑えるのが良いかと思います。ボンドガールは新馬戦でも優秀な後半3Fでしたが、ランクインした阪神牝馬Sは負けた時の内容でやや物足りないです。同様にワイドラトゥールも、距離が1200mと短かったとはいえ惨敗時の内容なのでほぼノーカウントでも良いでしょう。昨年の勝ち馬テンハッピーローズは超抜的な後半3Fを叩き出した朱鷺Sは勝利している訳ですから。
後半3F火力で2位に位置しているソーダズリングの三年坂Sは優秀です。指数こそありませんが、上級7F戦でしっかりと鍛えられ、当レース以降は道悪に苦しんだ高松宮記念を除いて全て負けても0.3秒以内に留めています。気性的に追走スピードが落ちてどうかという所ではありますが、スローペースのマイルで出した上がり3Fという点を鑑みても楽しみな1頭に感じます。
シランケドは3歳時には前崩れを差し込む展開で上位入線をしていましたが、4歳時から自力向上が顕著。魚沼Sでは高い後半3Fを見せておきながら着差を付けての完勝ですし、ここでも楽しみな1頭に映ります。元々1400mカテゴリを差し込むタイプの馬で、そこから距離延長で自力勝負ができるようになったというのを鑑みても、カテゴリこそ違いますがラムジェットと同タイプな印象を受け、短縮自体が悪い方面に働くとは考えづらいです。
最後にもう1頭挙げるならアドマイヤマツリ。1勝クラスの数字ではありますが末脚火力はしっかりと高く、3勝クラスでは2戦とも高指数を叩き出してのオープン入り。前走の福島牝馬Sではキャリア最大の着差で勝利しており、牝馬三冠路線を渡り歩いた4歳馬達にも見劣りしない成長曲線を歩めていると感じます。追走経験には乏しいですが、それはステレンボッシュやボンドガールにも言える事。一気の頂点に上り詰めても良い素質は感じる1頭です。
最後に、想定されるペースや展開について考察していきます。近5走で逃げているのはサフィラ、クリスマスパレード、アリスヴェリテ、シランケドの4頭。シランケドはどう見ても逃げないので除外するとして、他3頭は逃げる形になれば逃げても良いというタイプ。中でも、逃げて重賞を勝利しているアリスヴェリテが押して先頭を奪う展開が最も考え得る展開です。
アリスヴェリテはゼロ発進が速くなく、2F目に押して先頭を奪った後はそのペースを維持し続けるような逃げを打ちます。スプリント質のペースで中距離カテゴリだとパンサラッサが近い形。マーメイドSや大楽勝した2024/03/02の1勝クラスを見れば分かりやすいです。ラスト1Fまでに勝負を決める形なので、走破タイムを1:31.7と仮定した際の個別ラップは【12.2-10.6-11.2-11.3-11.3-11.1-11.6-12.4(45.3-46.4/L3F35.1)】辺りになるのではと推測しています。近走はスタートが悪すぎて逃げられていないですし、操縦性自体は高いのでスローペースに落とせる可能性もある訳ですが、指数を伸ばすパフォーマンスの範囲ではこういったペース推移。逃げ争いが続いたNHKマイルと違い、主張すれば競り合う馬は居ないので、極端にペースが上がり切るという事も無いとは思います。ただ、形としては大逃げになる可能性まで。
アリスヴェリテが出遅れたりなどで行く馬が居なければサフィラやクリスマスパレードが逃げるかと思いますが、この2頭が逃げた時も想定されるペースが異なります。前者が逃げた場合はスローペースがほぼ確実で、前半の4Fが47秒台に突入する可能性も考えられます。ただ、スローペースを見越して競りかけてくる馬も居るはずなので完全にフリーでの逃げという事にはならないと思います。クリスマスパレードは前後半のタイム差がゼロになるような先行をするので、前半4Fタイムは45.6秒前後でしょうか。それでも十分速いので、クリスマスパレードが逃げた際には競りかける馬は居ないと思います。スタートセンスは高くゼロ発進も速いため、逃げる際には自然と押し出される形になりそうです。
パフォーマンスレベルから最高打点となるペースを算出しているものの、実際はスローペースにもハイペースにもなる可能性がありますので、単なる位置取り論でどうこうというよりは、先述の上がり3Fの火力にプラスアルファで追走経験もある馬が優位に立つと思われます。今年のメンバーに完全5F特化の末脚質を持つ馬は居ないので、レース中盤では息を潜めて直線勝負に持ち込めるタイプが強いです。
まとめです。
【指数的な注目馬】
・アスコリピチェーノ
・クイーンズウォーク
・ラヴェル
・ボンドガール
・ステレンボッシュ
・アスコリピチェーノ
・クイーンズウォーク
・ラヴェル
・ボンドガール
・ステレンボッシュ
【展開的な注目馬】
・アスコリピチェーノ
・クイーンズウォーク
・ソーダズリング
・シランケド
・アドマイヤマツリ
・アスコリピチェーノ
・クイーンズウォーク
・ソーダズリング
・シランケド
・アドマイヤマツリ
その他で述べていない馬についてはスペースでお話できればと思います。予想も含め、明日の22:00から開始を予定していますので、是非ご覧頂ければと思います。
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