
2020年産馬クラシックロード vol.001
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このマガジンの内容は、2020年産馬(現3歳馬)の主要レースを振り返りながら有力馬の特性を探っていくスタイルとなります。まずは昨年12月に行われた阪神ジュベナイルフィリーズを振り返ってみましょう。上位馬と同レースの過去の勝ち馬の指数データは以下の通りとなっています。
5つある各々の指数を簡単に説明しておきます。
l 指数
走破タイムと馬場の速さから導き出される、いわゆるスピード指数。指数の値1は1600m戦における0.1秒に相当する。
基準値は80で古馬2勝クラスを勝ち負けできるレベル。
100(牝馬96)オーバーなら超A級クラス。
走破タイムと馬場の速さから導き出される、いわゆるスピード指数。指数の値1は1600m戦における0.1秒に相当する。
基準値は80で古馬2勝クラスを勝ち負けできるレベル。
100(牝馬96)オーバーなら超A級クラス。
l 追走指数
80を基準とした指数から後述するL5指数を引いた値。残り1000m通過時点での追走レンジの目安となる指数。
80を基準とした指数から後述するL5指数を引いた値。残り1000m通過時点での追走レンジの目安となる指数。
l L5指数
指数80で走破する先行馬のラスト1000mのラップタイム平均値(基準値)とのタイム差を10倍にした値。
指数80で走破する先行馬のラスト1000mのラップタイム平均値(基準値)とのタイム差を10倍にした値。
l L5-3指数
指数80で走破する先行馬のラスト1000~800mのラップタイム平均値(基準値)とのタイム差を10倍にした値。
指数80で走破する先行馬のラスト1000~800mのラップタイム平均値(基準値)とのタイム差を10倍にした値。
l L3指数
指数80で走破する先行馬のラスト600mのラップタイム平均値(基準値)とのタイム差を10倍にした値。
指数80で走破する先行馬のラスト600mのラップタイム平均値(基準値)とのタイム差を10倍にした値。
L5指数・L5-3指数・L3指数は10で割ると基準値より何秒速く、あるいは何秒遅く走ったかが判断できます。
同レースの過去の勝ち馬を見ると、2020年ソダシは追走指数からL3指数の4項目で0~-2の範囲で走っていることから、ほぼ理想的なペース配分で走破したことが伺えます。一方、2017年ラッキーライラックは追走指数が遅い上にL5-3指数も-8。残り600m通過までペースが遅いまま走り、L3指数は一覧表の中では最速値。最終的な走破タイムを伸ばしづらくなる効率の悪いペース配分だったことから、指数72より上方補正して捉えるべき、という判断となります。
今年の勝ち馬リバティアイランドの指数はウオッカには少し至らないものの、ソウルスターリングやレシステンシアと同等レベルとなる高指数。同レースを逃げ切ったレシステンシアと比較すると、リバティアイランドは前半600m・後半1000m地点でレシステンシアより遅く通過した後、前半1000m・後半600m地点ではレシステンシアを交わして0.2秒前にいる形。それくらい2歳牝馬の時点ではかなり厳しいペースを追走しての勝利でした。2006年よりスタートした現阪神芝外回り1600m戦の勝ち馬の中では、この前半1000m通過レンジは史上3位辺りに相当する形だろうと思います。ちなみにトップは2010-07-04米子Sでのタマモナイスプレイ。セックスアローワンスを加味すればそのタマモナイスプレイから0.1秒少々遅れての追走という辺りになることでしょう。ただ、残り1000mからの3~4コーナーでは追い風を受けていた影響も考えられます。
今回のレースではリバティアイランドだけでなく全頭が道中ペースを緩めることなく推移し、いわゆる追走力が要求される形だったと思われます。それでは上位3頭と6着ドゥーラのラスト1000mにおける100m毎の平均完歩ピッチを見ていきましょう。
リバティアイランド、ドゥアイズ、ドゥーラの3頭は似たピッチレンジの持ち主。最後方からレースを進めたドゥーラは、さすがに全開スパート時のピッチが速くなっているものの、道中での追走負荷が大きくラスト200mからは脚が上がってしまいました。マイル戦でのガチンコの流れは合っていない印象で中~長距離戦の流れの方がレースはしやすいはず。ドゥアイズは残り300m辺りからの進路変更に伴いピッチが遅くなるシーンがありました。スムーズに進路を取れていれば2着シンリョクカを交わせた可能性がありますが、そこで脚を溜められた側面もあります。とはいえゴールまでよく脚を使えていました。今回が2戦目となるシンリョクカの新馬戦での全開時の完歩ピッチは0.402秒/完歩。一気に追走ペースが跳ね上がったためピッチを速めてスパートすることができなかったものの、よく耐えた走りをしており見どころは十分。レース経験値としては絶好の形になったとも言えます。
リバティアイランドは手応え十分の様子からきっちりラストスパートを敢行。ほぼ同位置にいたシンリョクカとの違いがはっきり見て取れることができます。そしてラスト100mは若干緩めています。追走性能が他馬とは段違いで器の違いを見せつけました。このリバティアイランドに関しては後日詳しく解説する予定です。次は朝日杯フューチュリティS。まずは指数表から。
過去の同レースと比べ前半は良く流れていたと思います。ただバックストレッチは追い風、ホームストレッチは向かい風だったと思われるので、指数の値ほど前後半の差は少なかったと捉えるべきかもしれません。レベル的には平均的な範疇。上位3頭のラスト1000mにおける100m毎の平均完歩ピッチも合わせて見ていきましょう。
1着ドルチェモアは3番手でインを追走。しっかり折り合い実にスムーズな道中の走りでした。残り400m辺りから外に持ち出しラストスパート。このラストスパートのタイミングは申し分なく、スタートからゴールまで鞍上坂井瑠星騎手の好騎乗が光りました。またドルチェモア自身もレースがどういったモノかよくわかっているかと思わせるような走りっぷり。人馬ともレースセンス抜群の内容だったと思います。3着のレイベリングはドルチェモアの1列後方となる外目を追走。進路が開いていた分、ドルチェモアよりラストスパート時のスピードアップのタイミングが早く、一旦はドルチェモアに並ぶシーンがありましたが徐々に遅れ始め3着という結果。2戦目ということを考えれば上々の内容ではあるものの、個人的には少し物足らない印象。良い受け止め方をするならば、マイル戦の適性が今一つで中距離以上でこそ真価を発揮するならば、この結果は良しと捉える形になろうかと考えます。2着のダノンタッチダウンは同コースで行われた前走デイリー杯2歳Sと比較してみましょう。
差し届かない結果となれば、もう少し前の位置で競馬ができていたらと思えてしまいますが、実際には前走よりしっかりピッチを速めて序盤走らせています。それでも相対的に後ろの位置取りとなり3コーナー前半500m・後半1100m過ぎでは鞍上川田将雅騎手が促しているシーンも見られます。これまでの2戦の経験値からするとこれ以上前には行けないと考えるのが妥当なところでしょう。後半の動き出しは前走より100mほど遅いタイミング。前走以上に序盤力を入れて走っているので動き出しは遅くて当然。残り600mのハロン棒辺りでは抑える仕草が見られたものの、しばらくしてから促されています。L500~400mでのグラフ値の角度が少し急です。前走は残り600m辺りから少し外目に持ち出されていましたが今回は絶えず最内の進路。緩いコーナーではあるもののコーナリング性能はあまりよくない印象があります。また、最内を通り続けるということは後に進路を見出さねばならないわけで、クイックに走らせようとする意図はよくわかります。結果論にはなりますが、このL500mからの動き出しが少々俊敏過ぎた感もあり、その分ドルチェモアとレイベリングに対し早いタイミングで迫ることができたものの、ラスト200m以降の脚色は悪くなってしまいました。位置取りと同様に差し届かなかった結果からもう少し仕掛けが早ければと思いがちですが、私からすれば仕掛けのタイミングは若干早過ぎるくらい。もう数完歩、50mほど遅らせるとか、じわっとスピードアップできていた方が効率の良いラストスパートとなった可能性が高いと思います。ただ、他馬と競い合ってこその競馬であり、これ以上仕掛けを遅くするのは困難だと思いますし、さすが川田将雅騎手、上手く馬群を捌いていきました。位置取りを前にすればその分後半にツケが来る、仕掛けを早くすればその分ゴール間際にツケが来るという、トレードオフの関係性が必ず生じます。改めてダノンタッチダウンの走りの評価としては、前走時からの上昇度が少し物足らないところがあるものの、末脚はさすがのモノがあります。レース経験を重ねる毎に追走力は磨かれていくでしょうが、基本後半特化型の走りが合うように感じます。
週1回あるいは2回、このような形で注目レースを振り返っていきますし、特定の馬にスポットを当てて細かく分析も行っていきます。また、今回のこの後の有料部分では2020年産馬の2歳主要レースの上位馬指数表、そしてラスト1000mを速く走る代表馬といえば、誰もが思い浮かべるディープインパクト。そのディープインパクトの国内全13戦の指数データを掲載しております。その他、L5指数、L3指数の限界値がどの辺りになるかという参考資料も掲載しております。ご興味ある方は当マガジンを購入していただけると幸いです。
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