2020年産馬クラシックロード vol.045
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今年の菊花賞は再び京都競馬場が舞台。ここ2年は阪神競馬場芝内回り3000mでレース傾向が変わるのではないかという声がありました。勝ち馬はともに強力先行馬であるタイトルホルダーとアスクビクターモアでしたが、タイトルホルダーが勝った2021年は緩いペースでレースが進みアスクビクターモアが勝った2022年は一転終始厳しいペースとなり、レースの流れとしては全く別物でした。どの舞台で行われようとも出走メンバーの質、ジョッキーの思惑次第でいかようにも姿を変えるのがレースの質。そんな典型例が先週の秋華賞でした。過去年の大半は捨て身の逃げ馬がいてペースが速くなるのが通例。今年のメンバーも逃げて良績を残した馬が3頭いましたがその馬たちは逃げることをせず、ハナを切ったのは桜花賞でリバティアイランドに差され2着だったコナコースト。鞍上鮫島克駿騎手のコメントの通り「紛れがあれば」というかなりのスローに落とした逃げ。功を奏す結果とはならなかったものの対リバティアイランドとしては実に真っ当な戦略だったと思います。
他にラップタイムの観点からすれば京都競馬場芝外回りは残り1200m辺りから4mほど坂を上って下るというコース形態の影響が大きいですね。平坦コースでイーブンペースを刻む走りをこの坂の前後で行えば、自ずとラップタイムが上下動する結果となります。値を直視すれば遅くなって速くなったと見えてしまいますが、実態はイーブンペースだったりするわけです。L800~600mは3m少々坂を下るのでスピードは必ず速くなりますが、L600m以降ではそのスピードを維持しようものならより力を入れて走らねばなりません。また京都競馬場芝外回りの最後の直線はAコースで403.7m、B~Dコースでは398.7mとなっているものの4コーナーの内ラチの終端部分からゴールまでの距離は440mほどあります。そして従来より4コーナーの半径は若干緩くはなっているもののタイトなコーナーには違いなく、仮に一定の力を入れ続けて走っても坂を下るL800~600mとタイトな4コーナーを含むL600~400mのラップタイムには0.4秒ほど相違が出てしまいます。元々このコース形態とアングル的に公式ラップタイムの値のブレがどうしても大きくなるので真剣に公式ラップ値を見てもあまり意味はないのですが、公式ラップタイムから何かしら紐解こうとするならば、このようなコース形態を踏まえて補正する必要があるわけです。しかし現実にはそのような補正なしに京都競馬場芝外回りの傾向が語られているようだと感じます。
この京都競馬場芝外回りは3コーナーをクリアした残り700m辺りから200mほどコーナー半径の緩い直線的に走れる区間があります。ここで手前を替える馬が結構存在しており同時にコース取り関係なくスピードを上げやすくなっています。タイトな4コーナーを境に2段階スパートが敢行できるようなコース形態。3~4コーナーで絶えず同じような曲線を描かないとコーナリングできないコースとはわけが違います。基本的には差し馬が活躍しやすくなりますが、馬の特性によってタイトな4コーナーを上手に走れるか否かという違いも見られます。ちなみに秋華賞の舞台だった最後の直線が短い京都競馬場芝内回りはトリッキーなコースとよく評されますが、個人的にはトリッキーなコースと言えば断然この京都競馬場芝外回りですね。最後の直線が短い=トリッキーというのは私には全く解せない解釈です。
それでは2005年からの1~3位入線馬と残り1000m地点を先頭で通過した馬のL5指数明細表を見ていきましょう。
ここ2年の阪神競馬場芝内回りと違って本来の舞台では末脚のキレが必要だと言われたりするようですが、上がり600mのレベルが高くなくても好走している馬は多数います。正真正銘の末脚のキレ勝負となったのはフィエールマンが勝った2018年のみ。上位3頭はL1000~600mのレベルを表わすL5-3指数が全てマイナス値。ビッグウィークが勝った2010年もレース後半の指数は高いですが、この年は各馬の前後差が大きなポイントでした。2着ローズキングダムの後半1000mのレベルを表わすL5指数はディープインパクトに次ぐ高指数。それでも2着だったというのが前述の各馬の前後差が大きなポイントだったという証明になります。その他の年のほとんどはある程度の追走力が必要とされ3000mを力強く走り切る力を持った馬が好走しています。そして歴史に名を残す名馬たちは指数の高い決着で勝ち切っています。ディープインパクトは指数こそオルフェーヴルやゴールドシップより低い値ですがL5指数はズバ抜けて高いです。3000m級のレースにおける後半のロングスプリント能力は異次元の存在。同じレベルにいたのはナリタブライアン1頭だけでした。
さて今年の菊花賞はどんなレースになるでしょうか。登録馬全頭の過去走全戦のL5指数明細表を見ていきましょう。
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