Mahmoudの競馬エッセイ vol.035 「2023天皇賞・秋 展望」
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現コースレイアウトでの施行が今年で21回目となる天皇賞・秋。過去20年の指数データを再検証してみました。先日シュネルマイスターのロングスプリント能力の高さをオルフェーヴルになぞらえて称賛しましたが、天皇賞・秋でもそういったロングスプリント能力の高さをもつ強者がいたのを再確認しました。この天皇賞・秋のレベルの高さはG1の中でも最高峰でしょう。それでは1~5位入線馬と中間点を先頭で通過した馬の指数表をご覧ください。まずは2003~2012年から。
勝ち馬の指数は100前後、そして後半1000m、600mのレベルを表わすL5指数・L3指数も高い馬が多く存在します。2着でしたが2003年ツルマルボーイ、2008年カンパニーは4着でしたが指数が90後半でL5指数はプラス30と、限りなくMAXレベルに近い値。特にカンパニーは翌年指数を100に乗せL5指数はプラス28。ロングスプリント能力は極めて高いモノがありました。また、ゴーステディと熾烈な逃げ争いを演じた2003年ローエングリンのL5追走指数はプラス43。昨年逃げて2着となったパンサラッサでプラス30ですから、そのパンサラッサより1.3秒前半1000mを通過していた計算となりウルトラハイペースでした。この年の勝者シンボリクリスエスは前半1000mを逃げたローエングリンより約3.8秒遅れて通過。逃げ馬視点で見れば超ハイペースではあるものの、上位馬視点で見ればハイペースとは全く言えないペース推移です。あくまでも結果的な相対的位置取りとなっているだけで、どの位置で走ろうとも実力が発揮されての結果となるのが天皇賞・秋。スタートから2コーナーまでの形状により内外の有利不利が大きく出やすいコースですが、そこで無理をせず余力を温存し後半で巻き返すのが十分可能なコースレイアウトと考えて良いでしょう。次は2013~2022年。
トップ指数は2013年ジャスタウェイの104。L5追走指数がプラス17、L5指数がプラス14。前半1000mを基準値より約1.7秒速く走り後半1000mを基準値より約1.4秒速く走りました。実際のジャスタウェイの前後半のラップタイムは59.50-58.00。差し馬ならこの辺りの前後半バランスがイーブンペースとみて良いでしょう。この年の2着ジェンティルドンナが道中2番手でL5追走指数がプラス26と、上位入線馬の中ではパンサラッサに次ぐ値であり、この2013年は異例となるほど大多数の馬たちが速いペースのまま追走していきました。あまりにも特殊な馬場状態となった2017年以外ではL3指数がプラスに転じているレースばかりなのですが、2013年はL3指数の2位が3着エイシンフラッシュのマイナス4でプラス値となったのは唯一ジャスタウェイでプラス5。つまりジャスタウェイ以外の16頭はハイペースで厳しいレースとなった一方、ジャスタウェイだけはミドルペースで走ったという形であり、他を圧倒するハイパフォーマンスの走りでした。ジャスタウェイはこの2013年の天皇賞・秋をきっかけとし翌年のドバイデューティフリーで更にパフォーマンスを上げる快走を見せてくれたのは、私の記憶の中ではまだまだ鮮明なモノになっています。
他に印象的だった馬はやはりアーモンドアイ。2019年はハイパフォーマンスな走り。ゴール前ではかなり抑えています。好位置に付けても追走余力度が他馬を圧倒しており、中団あるいは後方待機していた馬のような末脚を見せています。2020年は2、3着のフィエールマンとクロノジェネシスも含めてとなりますがL5追走指数が低いため指数そのものは低くとも後半の指数は上々の高さで走力が並外れていたのを表しています。1600m、2400mでも勝利を収めていましたが最も適性の高い距離はこの2000mだったと思われます。
こうやって過去年を見ていくと昨年のイクイノックスの指数が低いのが目に付きますが、それには理由があります。L5追走指数がマイナスに振れて勝っている馬は何頭かいますが、残り1000~600mのレベルを表すL5-3指数も同時にマイナス値になっているのはイクイノックスだけ。端的に言えば残り600mまでスピードアップする気配が一向になかったということ。実質のペースコントロール馬が中盤以降ペースを過剰に落とし込み、ペースアップのタイミングもかなり遅くなるという異例の流れの割を食った形。イクイノックス自身は緩から急激なスピードアップを図り一気に脚を使った影響で効率の悪いペース推移となり、走破タイムが伸びない他、上がり600mも爆速とならなかった形でしょう。二度と見ることのないドラスティックな結末となった背景がそこにあり、仮に標準的なタイミングでペースコントロール馬がペースアップをしていたのなら、イクイノックスは余裕十分に突き抜けていたことかと私は考えます。
それでは今年の登録馬全頭のL5指数明細表を持ち指数の高い順に見ていきましょう。各馬デビューからの全戦のデータとなります。また数頭は短評を書いておきます。
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