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2020年産馬クラシックロード vol.025

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Mahmoud
2023/6/10 16:02
今年のオークスはレースを見たままの評価で全く問題はなく、リバティアイランドの強さがひたすら目立った内容だったのでオークスを制した過去の名牝と比較してどうだったが論点になると思います。2003年からの現コースレイアウトで施行されたオークスの中で、私の指数的判断で言うならレベルの高い走りを見せたのは4頭。2012年ジェンティルドンナ、2018年アーモンドアイ、2019年ラヴズオンリーユー、そして2022年スターズオンアース。この4頭の指数表がこちら。
指数はジェンティルドンナとラヴズオンリーユーがトップで並びアーモンドアイとスターズオンアースが同指数で次に並ぶ形。「L5追走指数」は残り1000m地点での通過タイムと基準値との秒数差を10倍にした値。値が最も高いラヴズオンリーユーを先頭に0.1秒差でジェンティルドンナが続き、スターズオンアースはラヴズオンリーユーより1.5秒離れて通過、アーモンドアイは1.7秒離れて通過。スターズオンアースとアーモンドアイはその分後半1000mを実に速く走っておりペース推移次第ではジェンティルドンナやラヴズオンリーユーと同指数で走っても何ら不思議ではないレベル。この4頭はほぼ同レベルと見て概ね問題ありません。それではリバティアイランドの指数データもここに加えてみましょう。
ジェンティルドンナやラヴズオンリーユーと並んだ指数を叩き出したので5強となりました。残り1000m地点でラヴズオンリーユーから0.5秒離れて通過し、後半1000mできっちり0.5秒差を詰めたラップタイム推移。堂々たる内容だったと思います。
さて、このままだと他の4頭との比較論は物足らないものとなるので補足データを挙げておきますが、馬場差を調整してもラスト200mはリバティアイランドが最も速いラップタイムをマークしています。リバティアイランドが何故ラスト200mで最も速く走れたのか、改めて他の4頭のレース映像を見てもらえばイメージできるかと思いますが、その要因は次のデータで立証できます。後半1200mでの平均完歩ピッチと平均ストライド長のグラフをご覧ください。
他の4頭は最速完歩ピッチ区間がL500400m区間となっているのに対し、リバティアイランドは200mゴール寄りとなるL300200m区間。圧倒的に全開スパートを遅らせた走りになっています。今年のオークスはそういった流れとなるラストスパート戦かというと、そんなことはありません。上位3頭のグラフがこちら。
2着ハーパー、3着ドゥーラも最速完歩ピッチ区間はL500400m区間。上記4頭と同じリズムで全開スパートしています。リバティアイランドだけが特殊型。端的に言えばガチンコでラストスパートを敢行する必要性が全くなかったからですね。鞍上川田将雅騎手の手応え通りの内容。正確には馬なりではありませんが軽く促されただけで直後にいた全開走行に入っているハーパーを楽に突き放し、残り300mを過ぎてから全開で追われムチも入れられ、その鞍上のアクション通りにリバティアイランドが反応していった結果となりました。私がリアルタイムでオークスを見た最初の年はリニアクインが勝った1977年。その年からの47回の中でダントツに余裕度のある勝ち方でした。
東京競馬場はL400L200mで坂を上っているので同じ力で走り続けるとL2000mの方がストライド長は伸びますが、それを加味してもリバティアイランドのストライドの伸び方は素晴らしいですね。それでは新馬戦を勝った時の評価の一部を書いておきます。
「ゴールに近づくにつれグングン伸びているリバティアイランドのストライドは驚異的。ラスト400200m区間の平均ストライド長は8.04m。ラスト200m8.21mとさらにストライドを伸ばし24.36完歩で走破。速いラップの値ばかり目に付いてしまうが、リバティアイランドの末脚は骨太さたっぷりの、文字通り豪脚そのものという印象である」
オークスでの末脚はこの新馬戦評価通りの内容でした。
上記の平均ストライド長のグラフはコースロスを加味していないので4コーナーで外を通った馬はL600400m区間の値を補正して見る必要があるのですが、スパート始動後の完歩ピッチの推移と平均ストライド長の推移、リバティアイランドの波形は実に滑らかになっており、リバティアイランドと鞍上川田将雅騎手が完璧すぎるほど一体化していました。言い換えれば川田将雅騎手がどう走らせようかとイメージしている形をきっちりトレースするかのようにリバティアイランドが走っていたということ。先日の日本ダービーでは勝ったタスティエーラや他の有力馬が乗り替わりとなり「継続騎乗」というフレーズが脚光を浴びましたが、このリバティアイランドと川田将雅騎手のタッグは継続騎乗の究極型ですね。他馬の力量をしっかり押さえた上でリバティアイランドの能力をきっちり把握し、実際に走っていたペース推移をその能力とマッチングさせ、いわゆる「体内時計」の理想形がこれだというレースを見せてくれました。もう素晴らしいという言葉以外、何もありません。
次は全頭の指数表をご覧ください。

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