この5つの200m平均ラップを滑らかに線で繋いだのが白線のグラフです。それぞれコースが違ってコーナーの数も違う他、斤量も違っていたりするのですが、それを個々の能力と馬場の速さで補うようにして意外とバランスが取れている各レコードです。そしてこの白線より上に位置する各距離の日本レコードは馬の能力、斤量、馬場の速さ、ペース等が上手くかみ合えばさらに短縮できて当然といったレコードとなります。いわゆる主要距離の中で唯一白線より上にあるのが芝2000m。グラフ上の推定値は1:55.2。トーセンジョーダンが2011年天皇賞・秋でマークした1:56.1より0.9秒の更新が見込めますが、これがなかなか難しいところ。東京競馬場芝2000mは約3/4周するコースですがスタート後に最もスピードが上がるタイミングの手前からコーナーに突入。序盤速く走ることができないコースです。他場はほとんどが1周するコース。例えば中京競馬場芝2000mはスタート後に1コーナーへ進入するまでの距離が短く、また1~2コーナーがタイトなためスピードが上げられません。よってそれ相応の力を使っても前半を速く走ることができず走破タイムが遅くなるコースです。芝2000mの日本レコード更新が期待できるコースは新潟競馬場。スタートから最初のコーナーへ突入するまで900m以上もある他、コーナーが2つしかないところは大きな違い。3~4コーナーはかなりタイトですがコーナーを回り切ってからラストスパートを行っても問題ないほど最後の直線が長いコース。ここで天皇賞・秋を行えば少なくとも1:55秒台は間違いなくマークされることでしょう。