
「阿片王」里見甫の多層的肖像:影の歴史に刻まれた天馬の軌跡
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昭和という激動の時代の裏側には、教科書が語ることのない巨大な「負の経済」が奔流していました。その中心に座し、日中の政財界を影から支配した一人の男がいます。名は里見甫(さとみ はじめ)。
世は彼を「阿片王」と呼び、麻薬という劇薬で大陸を蝕んだ大悪人と断じました。しかし、彼を知る人々は驚くべきパラドックスを口にします。ジャーナリストの松本重治は、里見を**「天馬空を駆けるような魅力の持ち主」**と評し、その精神の高潔さを称えました。毒を撒き散らしながらも、魂は雲の上を駆ける――この「天馬」と「泥沼」の共存こそが、里見甫という男の正体です。
彼は単なる犯罪者か、あるいは国家という巨大な装置が求めた「必要悪」の体現者だったのか。その人生の原点は、九州・福岡の学び舎と、ある革命家との邂逅にありました。
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