Mahmoudの競馬エッセイ vol.009 「日本馬8頭出走 2023年ドバイワールドカップ」
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今年のドバイワールドカップは出走馬15頭中何と8頭が日本馬という顔ぶれとなりました。前回の「2023年サウジカップを振り返ってみよう」に続く形で少し書いてみようと思います。
ドバイワールドカップの舞台はドバイ・メイダン競馬場ダート2000m。サウジカップより距離が200m伸びることになりますが、その施行距離の違い以上に大きく変わる点はスタートから最初のコーナーに入るまでの距離。パンサラッサが見事に逃げ切ったサウジカップは900mほど直線を走ってコーナーに突入。仮にパンサラッサが大外枠を引いていたとしても、その900mほどの直線を使って上手くレースを運べていた可能性は高いです。吉田豊騎手とのコンビでの一連のレースを見る限り、ハナに立つのが前提条件ながらもそのプロセスは多彩な形を秘めていたと思われ、それくらいこのコンビは熟成されているわけですが、ドバイワールドカップは400m足らずで最初のコーナーに突入。そして実際に引いた枠順は最大外。パンサラッサがマイペースでレースを行える選択肢はグッと狭くなります。要は前走と比べて半分以下の距離の範囲でハナに立つプロセスを組みたてる必要があるわけです。
サウジカップは素早くハナに立った後、800m近くペースを全く緩めることのない形でレースを進めた結果、後続勢は早い段階で末脚を使う余力を大きく失ったのが最たる勝因であり、単に逃げられたから勝ったわけではありません。そういった形の逃げを打った、ということに大きな意味があるわけです。もしハナに立つまでに相当労力を費やしたとしたら、いくら吉田豊騎手であっても早い段階でペースを落とす形にならざるを得ません。その労力を費やしたペースのまま逃げたら脚が持たないのは、感覚的にジョッキーは必ずわかることで、条件反射的にペースダウンを施します。そうなると後続勢も脚を溜められるチャンスが早々に訪れることになり、いざラストスパートという段階で末脚を使える可能性が高まり逃げ馬を捕らえられるわけです。サウジカップでのパンサラッサ以外の馬たちは、パンサラッサのペースに付いていった時点で勝つチャンスはほぼ潰えていたのです。
サウジカップの舞台のようにスタート後の直線が長ければ、ハナに立つまでの猶予が大きく生じるので、例えば前を行く馬がペースを落とし、自らはペースを落とさずに走って交わしてハナに立つ、みたいなことが可能になります。それがドバイワールドカップでは使えない戦略ということになるわけです。コーナーで外から交わしてハナに立つ、というのは無謀なやり方ですからね。サウジカップ同様抜群のスタートダッシュを決めても内の馬の抵抗にあうとそれはそれで苦しい展開。パンサラッサが前走並みのレースを行えるという形は1~2コーナーでペースを落とさずスムーズにバックストレッチまで走れるかがポイント。ラップタイム的には速くても余裕をもって最初のコーナーに入れるかが勝敗の分かれ目になるように思います。個人的にはぜひ連勝して欲しいところです。
他の日本馬についても私が鞍上だったら、といった感じの視点で端的に触れておきましょう。レース展望という形にはならないと思いますので軽い気持ちでお付き合いください。次に触れる馬はクラウンプライド。
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