白ラインが芝1200、1600、2400、3200mでの日本レコードを基点として描いた推定日本レコードにおける200m平均ラップタイムの曲線、黄〇印は現在の日本レコードの200m平均ラップタイムとなります。施行距離が伸びれば200m平均ラップタイムは必ず遅くなっていきます。芝2000mと2600mでは推定日本レコードなら0.282秒の差異があり、ブローザホーンが走った函館芝2000mと札幌芝2600mではコース特性の違いにより差異は約0.27秒となります。この2レースの馬場差はほぼ似たレベルであり、函館記念でのレースラップタイムの前半1000mは60.0だったので、札幌日経オープンが函館記念と同レベルのペースとなった際の前半1000mは61.3~4程度と推定できますが、札幌日経オープンでの実際のレースラップタイムの前半1000mは62.3。序盤は先行2頭がガリガリやっていたもののG3とリステッドのクラス格差を考慮しても札幌日経オープンの方が前半1000m通過は緩い流れだった、と結論付けることができます。中距離レンジでは追走が苦しい馬でも2600m戦なら追走が楽になるわけで、距離適性というのは距離が持つ持たないと見る以外にこのような頃合いの良い追走ができるか否かで判断することも十分可能です。次はブローザホーンの函館記念での前半1000m、札幌日経オープンでの前半1300mにおける平均完歩ピッチを比較してみましょう。