今年の日本ダービーは道中緩く流れて、いわゆる「スローからの上がり勝負」と形容されるレースの一つだったかもしれません。このスローからの上がり勝負となる目安の一つは各馬の上がり600mのラップタイムが速いという点。今年牝馬二冠を達成したリバティアイランドの新馬戦の上がり600m31.4はインパクトが強かったのですが、そこまで速くなくても現代なら上がり600mが33秒台前半辺りだと十分速いという認識が一般的なモノかなという感想を持ちます。日本ダービーの施行距離芝2400m戦では1986年以降の1763レースで上がり600m33.4以下をマークしたのは延べ205頭。その中から東京競馬場に絞れば770レースで延べ106頭がマークしており32秒台となるのは延べ13頭。芝2400m戦においては上がり600m32秒台というのは別格な数字で、馬の能力は当然として速い馬場状態等、出るべく条件というのが存在します。2010年日本ダービーを勝ったエイシンフラッシュが32.7をマークしたのでこの値がある意味ベースとなっているところがありますが、東京競馬場芝2400m戦においては今でも最速値であり頂点となるベースという認識で良いかと思います。