2020年産馬クラシックロード vol.035
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今回取り上げる注目2歳馬は3頭。まず1頭目は2023-07-30新潟5R芝1800m新馬をレコード勝ちしたカンティアーモ。L5指数・L3指数の違いで総合評価としては若干見劣るものの指数値そのものは一昨年のイクイノックスに匹敵するレベル。レベルの高い走破タイムをマークした要因の一つは前半のペース。馬自身が行きたがっていた側面はあるものの、鞍上川田将雅騎手が過度に抑え込むことなく走らせていました。中距離あるいはマイルの新馬戦ではスタートダッシュさせた後にガッツリと抑え込むレースが良く見られますが、短期免許での参戦のR.ムーア騎手やD.レーン騎手、そしてC.ルメール騎手やこの川田将雅騎手が新馬戦で跨ると、抑え込むことよりもスムーズに走らせているシーンが目立ちます。先々のレースを見据えればどちらが得策かは言うまでもありません。
このカンティアーモが高評価される要因として前述の走破タイムレベルの高さの他、2着となったミッキースターダムに一旦交わされながらも差し返して勝利した点も大きいです。いくつかのメディアでは「勝負根性が凄い」と評されていましたが、タフな末脚を使ったのは確かでも差し返し=勝負根性が凄い、というのは妥当な評価ではありません。差し返した要因はこの2頭の完歩ピッチの推移を見れば一発で判断できます。
ミッキースターダムは前半の速いペースを追走させるために鞍上戸崎圭太騎手が何度も促していました。そしてこの2頭の大きな違いはL1000m辺りからとなる3~4コーナーの走り。中盤での追走にミッキースターダムはかなり労力を割いているのがカンティアーモとの完歩ピッチの違いでよくわかることだと思います。また、4コーナーを回って最後の直線、戸崎圭太騎手らしくスパートを極力遅らせようとしていましたが馬自身がガツンと反応してしまった様子も伺えました。一方カンティアーモの最遅完歩ピッチ区間は最後の直線部となるL600~500m。この2頭はラストスパートを迎える段階でこれほどまでに対照的な走りとなったので、結果的にラストスパート時の完歩ピッチのピークはミッキースターダムがL500~400m区間だったのに対し、カンティアーモはL300m前後の辺り。全開スパート区間が100m以上もズレているのでゴール前の脚色に差が出るのは当然です。差し返し事例の半数以上はこのような全開スパート区間の違いによって生じるのが実態です。したがって勝負根性が凄いのではなく、全開スパートを遅らせられるほど追走力が高いという面を評価すべきなんですね。差し返し=勝負根性が凄い、と解釈する気持ちはわかるのですが往々にして安易な捉え方となるケースが多いのです。次はこの2頭の平均ストライド長のグラフを見ていきましょう。
追走に苦労したミッキースターダムも後半はストライドが良く伸びていて平均的なレベルの一戦なら圧勝していた内容。前半から中盤であえてレースの流れに乗らないような他を無視したレースをしていれば、もう少し僅差の勝負に持ち込めたかもしれません。カンティアーモは前半徐々にピッチを緩めながらもストライドはかなり伸びています。そして3~4コーナーで緩めた分、きっちり力強いラストスパートが敢行できたのは見事。この時期の新馬戦としては立派なスタミナ力を有しています。よく鍛えられていたのでしょうが、何よりも資質は高いものが感じられます。この延長線上に父エピファネイアのジャパンカップのレースぶりがあると感じさせるような走りだったと思います。評価は以下の通りとしました。
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