記事をご覧頂くにあたって、ひとつ前提条件として覚えて頂きたい点があります。今回の記事では、各馬見解にて血統を分析するにあたって、ミオスタチン遺伝子型の話を多用します。「ミオスタチン遺伝子型」とは、ざっくり言うと「遺伝子レベルの距離適性」です。全てのサラブレッドにおいて、ミオスタチン遺伝子型は「CC」「CT」「TT」の3種類に分けられます。CCは短距離、TTは長距離、CTはその中間に適性を持つ傾向が科学的に明らかになっています。染色体は父と母よりそれぞれ1本ずつ引き継ぐため、「CC型の父×TT型の母の配合」であれば、子は100%CT型になります。「CT型の父×CT型の母の配合」であれば、子はCC・CT・TTいずれの型も発現する可能性があるという事です。長距離戦においては「ミオスタチン遺伝子がTT型の馬」は適性面で相対的に有利となります。