欧米の主要大学が軒並み90点以上を記録し、シンガポールや香港の大学が満点近いスコアを叩き出す中、東大の数値は世界のトップ50校の中で異常なほど突出して低かったのです。英語による講義の割合、外国人教員比率、留学生の受け入れ数——評価委員の教授陣は「今や学術の共通言語は英語であり、国際化の波に完全に乗り遅れた時代遅れの落第点だ」と深く頷き合いました。
しかし、15年以上にわたり世界中の論文引用数、特許取得数、研究費推移を監視してきたデータ分析官だけは、胸の奥に強い引っかかりを覚えていました。
過去30年間のノーベル自然科学系3賞の受賞者数において、日本は英語を公用語としない非英語圏として圧倒的世界首位を走り続けています。さらに、産業界の技術基盤を支える機関特許の数や、最先端制御の根幹をなす基礎材料研究において、日本の大学は依然として世界屈指の耐久力を保持していたのです。