1983年設立の德利は、前年に台湾で施行されたビデオゲーム禁止令に対する逆張りそのものともいえる企業で、日本製アーケードビデオゲームの海賊版製造・販売を主業務とする形で事業を始めています。徳利を設立した高なる人物(フルネーム不明)は大学の電子工学科を優秀な成績で卒業し、しばらく軍に籍を置いた後、ビデオゲームの興隆に目を留めました。禁令下とはいえ抜け道がないわけではなく、アンダーグラウンドな需要は引き続き底堅いものがあると、彼は見て取ったのです。いわばハイリスク・ハイリターンを見込める仕事として、あえてビデオゲームを製造するという彼の目論見は早々に成功を収め、会社設立3か月後には設立資金の100万元を完済したといいますが、このようにアンダーグラウンドな性質の強い企業だけあって、同社に関する資料は蔡による論文の他には全く何も残っていません。