2022年(令和4年)7月8日、奈良県奈良市の近鉄大和西大寺駅前において、参議院議員選挙の応援演説を行っていた安倍晋三元内閣総理大臣が、背後から接近した男に手製の銃器で銃撃され、死亡するという重大なテロリズム事案が発生した1。我が国の戦後政治史において、総理大臣経験者が白昼の街頭演説中に暗殺されるという事態は前代未聞であり、国内外に極めて甚大な衝撃を与えた4。本事件は、単に一人の要人の命が奪われたという物理的被害にとどまらず、日本の要人警護(SP)体制に内包されていた構造的かつ致命的な欠陥を白日の下に晒した。同時に、長年にわたり潜在化していた特定の宗教法人と政治の接点、ならびにいわゆる「宗教2世」問題という深刻な社会的病理を急激に顕在化させる契機となった。