【帝王賞】
<コース特性>
大井D2000mはとにかくタフなコースで、特に上級戦は消耗戦となって「もう一段のギアチェンジ」が求められる舞台。3~4コーナーには傾斜もあり、内から8mの地点で20㎝、内から24mの地点では60㎝となっている。多少、先行有利の流れになったとしても、必ず最後には「もうひと踏ん張り」が問われるため、楽逃げ叶いそうな逃げ馬よりも、消耗戦に強い差し、追い込み勢から入るのがセオリーと言える。同コースで行われる東京大賞典のオメガパフュームの4連覇、ホッコータルマエ&スマートファルコンの2連覇に代表されるようにリピーターコースでもあり、大井D2000m実績には要注目。厩舎力に関しては「厩舎力問われる帝王賞、問われない東京大賞典」という傾向あり。近パは帝王賞、東京大賞典に限らず、1~3位の中に答えがあることが多く、まずは近パ上位陣の取捨がポイントとなる。上位厩舎の実力馬をそのまま信じるか、リピーターに振っていくか、はたまた近パ1~3位の中に答えを求めるか。いずれにせよ、スピード寄りのタイプではなく、根性型のスタミナタイプを狙っていくことや、上級戦であれば、逃げよりも差しから入りたいコースである。
<厩舎力(中央)>
S厩舎 プロミストウォリア
A厩舎 テーオーケインズ
B厩舎 クラウンプライド、ハギノアレグリアス
C厩舎 ジュンライトボルト
D厩舎 メイショウハリオ、ノットゥルノ
E厩舎 該当なし
F厩舎 該当なし
<厩舎力(地方)>
S厩舎 ランリョウオー、ミヤギザオウ
A厩舎 ライトウォーリア
B厩舎 オーヴェルニュ
C厩舎 該当なし
D厩舎 ドスハーツ
E厩舎 該当なし
F厩舎 該当なし
帝王賞
2020年 S-B-A
2021年 A-地A-A
2022年 B-S-C
JBCクラシック
2020年 S-B-A
東京大賞典
2020年 B-地B-D
2021年 B-D-D
2022年 C-D-C
<近走パフォーマンス>
1位 100 テーオーケインズ
2位 99 プロミストウォリア
3位 98 クラウンプライド
4位 97 ジュンライトボルト
5位 96 ハギノアレグリアス
6位 95 メイショウハリオ
7位 92 ノットゥルノ
帝王賞
2020年 1位-3位-2位
2021年 5位-圏外-2位
2022年 2位-4位-3位
JBCクラシック
2020年 3位-1位-2位
東京大賞典
2020年 2位-圏外-1位
2021年 6位-7位-5位
2022年 2位-4位-1位
<人気別成績>
1番人気 (1-5-1-3)
2番人気 (2-1-2-5)
3番人気 (3-1-1-5)
4番人気 (1-1-2-6)
5番人気 (2-1-2-5)
6番人気 (1-0-1-8)
7~9番人気(0-0-1-29)
10番人気以下(0-1-0-38)
2013年/馬連460円・3連複960円(3-1-4)
2014年/馬連340円・3連複1620円(3-1-5)
2015年/馬連570円・3連複1600円(1-4-5)
2016年/馬連1120円・3連複1190円(5-1-2)
2017年/馬連2330円・3連複2200円(6-5-1)
2018年/馬連510円・3連複1080円(2-1-4)
2019年/馬連410円・3連複5800円(3-2-8)
2020年/馬連320円・ 3連複400円(2-1-3)
2021年/馬連104960円・3連複104120円(4-10-6)
2022年/馬連3960円・3連複3180円(5-3-2)
<レースラップ>
帝王賞
2018年(良)12.3-11.2-11.6-12.6-12.2-12.2-13.2-13.0-12.5-13.4
2019年(重)12.1-11.3-12.4-12.8-12.6-12.4-12.8-13.5-12.3-12.2
2020年(重)12.6-11.8-12.9-13.5-13.1-13.0-12.0-12.6-11.7-12.1
2021年(重)12.1-11.6-12.1-12.5-12.5-12.3-12.3-12.9-12.0-12.4
2022年(良)12.5-11.2-12.5-13.7-12.6-11.4-12.0-13.0-12.0-12.4
東京大賞典
2018年(良)12.4-11.5-12.2-12.7-12.4-12.2-12.9-13.6-12.8-13.2
2019年(稍)12.7-11.6-12.2-12.7-12.4-12.1-12.5-13.3-12.3-13.1
2020年(良)12.3-12.1-13.4-13.7-13.4-12.7-12.6-12.7-11.6-12.4
2021年(良)12.0-11.3-11.9-13.3-13.0-12.2-13.1-13.0-11.9-12.4
2022年(良)12.4-12.1-12.8-13.4-12.8-11.9-11.7-12.7-12.4-12.8
<出走馬分析>
テーオーケインズ(川崎記念2着)
スタートを決めての先行策。前後からはさまれて窮屈そうに走っている場面が多く、さらにホームストレッチではテリオスベルの被せにより内に追いやられる形。かなりストレスの掛かる競馬になりましたが、それでも、松山騎手曰く「折り合っていた」とのこと。レースラップアは6.8-11.3-12.5-13.5-12.6-13.1-13.8-12.3-13.3-13.7-13.1、後半13秒台が続く流れ。そんな中、レースのポイントになったのは2周目の3コーナー。「ライトウォーリアの手ごたえが良く見えて動いてしまった」とレース後、話していましたが、ライトウォリアーは垂れないと見て外に回したあの瞬間、まさにこのレースの「その時」でしたね。結果、手ごたえがよく見えたライトウォーリアは失速し、テリオスベルとライトウォーリアの間を割ったウシュバテソーロが勝利。松山騎手の「判断ミスだった」の言葉がすべてを物語っていますね。巷ではテーオーケインズを怪しむ声も聞かれましたが、終わってみれば「負けて強し」の内容。確かにウシュバテソーロは強いですが、最後は差を詰めてますからね。進路取りが逆だったら、結果は入れ替わっていても、とは思いました。一方で、以前は見られなかった道中の力みは気になるところで、適性を考えるともう少し短い距離で、かつ、スピード優位コースの方が合うのかなとは思いました。とはいえ、展開が向いて完璧な競馬をしたニューモニュメントには4馬身差つけていますからね。やっぱり地力の高さは相当だなと感じました。
(チャンピオンズC4着)
スタートやや出負け、少し押し気味に位置を取りに行くも、1角で武豊マジックにはまって外々を回らされることに。ああいうところが名手の上手さですね。結果、道中は内から4頭目を終始走らされてのロス大競馬。その後、勝負どころで強気に攻めていきましたが、最後は止まってしまいました。1角の入りで外を回らされたからと言っても、昨年5馬身差を付けて勝ったレース。それだけが敗因とは思えないですね。少し脚捌きに堅さがあったのと、あとは帝王賞パターンですよね。前走断然人気で勝って、さらに断然人気になって飛ぶパターン。そういうキャラなんでしょう。このあたりが依然として掴めなくて、私の中ではソダシと同じ部類で…。「死角なしこそが死角である」、それを感じた一戦でした。
(JBCクラシック1着)
外枠から先行したことで1角で弾かれ、コーナリングで2馬身近くロスしての向正面。並みの馬ならあそこで置いて行かれペースアップ時の追走で脚を使わされて直線バテるパターンのはず。しかし、当馬はそれをもろともせずに勝負どころで先団に取りついての完勝ですからね。以前より「地方適性はあまり高くない」、「タフ競馬よりもスピード勝負に分があるタイプ」と見ていただけに今回見せた走りには唸らせられました。前走帝王賞の負けはいかにも地方適性の問われるタフレースであり、度外視OKとしたのですが、メンバーが下がったとはいえ、ここで地方適性を見せてきたのには驚かされました。ほんと「こういう競馬もできるのか」と。間違いなく先を見据えての作りでしたし、それで完勝ですからね。普通に考えて適性アップする中京D1800mのチャンピオンズCなら好走は間違いなしでしょう。力強いフットワークとラストのギアチェンジ力、さらに加速しながらのコーナリングの上手さ。どれをとっても現役屈指のポテンシャルの持ち主だと思います。「適性が地方に寄り過ぎてスピード対応に戸惑ってしまった」、負けるとすればこのパターンか、外々を回らされる苦しい競馬、あとは鞍上が人気のプレッシャーに押しつぶされて、という感じですね。状態さえ整っていれば、中央で崩れるイメージはほぼないです。
クラウンプライド(チャンピオンズC2着)
陣営がここを目標にしっかり仕上げてきたと福永騎手がレース後に一言。1角に入るところで少し口を割る仕草はありましたが、道中は掛かっていなかったそうで、展開もスローで脚を溜めることに成功。あとは得意の粘り込み作戦へ。JBCクラシックでテーオーケインズに完敗していたように見えたため、評価しきれなかったですが、考えて見れば3着以下は離していますからね。しかも、あの時は逃げて目標にされたレースでもありました。UAEダービーを勝った実績は伊達ではなかったですし、騎手の上手さとバテずに粘り込める根性、これも素晴らしかったです。上位入選馬はすべて予想時に評価していたんですが、この馬だけは評価を下げていて、そこが悔やまれますね。今年の3歳勢は一時「強い」と言われるも、交流重賞&みやこSで古馬の跳ね返されたため、「やっぱり古馬」の流れになっていたんですよね。そこを見越して私はハピに重い印を打ったんですが、まさかこっちの3歳馬も…でしたね。ちゃんと見直して正しく評価したいと思います。良いレースでした。
(JBCクラシック2着)
ハナを主張後、終始マークされる形の向正面、福永騎手はグッと手綱を絞っており、ややぎこちない走りに見えましたが、勝負どころでも、しっかりペースを上げてマークした側のフィールドセンス、ペイシャエスを退けての2着。最後、テーオーケインズにかわされはしたものの上々の内容との評価。ただし、テーオーケインズは適性外かつ距離ロス大きいレースでの勝利。しかも、斤量2㎏差、普通に考えれば力負けと言って良いでしょう。3歳ゆえに伸びしろに期待と言えば聞こえは良いですが、条件替わって中京D1800mでテーオーケインズに先着するのにはかなりの条件が付くとの見方。それこそ、テーオーがこけない限りは難しいのでは、と感じました。もう一つは連戦の疲れ。ハイパフォーマンスを示した3歳馬が人気を背負って凡走はよくあるパターンであり、日本テレビ盃2着から約一ヵ月半でのJBCクラシック2着を思うと「激走の反動」は気になりますね。ここをあっさりクリアしてさらにパフォーマンスを上げてくるなら本物。果たしてそこまでの馬なのか、走りを見た感じはまだ半信半疑です。
(日本テレビ盃2着)
フルデプスリーダーの出走取消により、待たされる形となったこと、そこに海外帰りと古馬混合戦のナイター競馬が加わり、当馬にとっては厳しい条件が並んでいました。しかし、地方馬屈指の逃げ馬サルサディオーネの作り出すハイラップについて行き、しかも、早めに潰しに掛かる王道競馬で勝ち負けですからね。これは評価すべき内容と言えるでしょう。伏兵に足元をすくわれたとはいえ、あちらは漁夫の利作戦。前を潰しに行っての差のない2着なら勝ちに等しい内容と見て良いと思います。一方で、ラストのもうひと踏ん張り、ペースが読める福永騎手の仕掛けについて行けず、最後に脚が上がってしまったあたりは今後の課題。そのあたりを成長と共にクリアできれば、ますます面白い存在になると思います。
メイショウハリオ(かしわ記念1着)
岡田調教師は「前走よりも出来が落ちていた」とレース後に話すほど状態面は決して上向きではなかった当馬。それでも、ラスト3ハロン手前から押し上げて、12.2-12.0-12.5-12.8-12.3-12.1-12.9-12.5のラスト1ハロン加速ラップを制するんですから、やっぱり強いですね。帝王賞でチュウワウィザード、オメガパフューム、テーオーケインズを破ったのは伊達ではなかったです。とはいえ、あちらは大井D2000m戦、今回求められるものとは全く異なりますからね。かしわ記念では異例の「中央向きのスピード勝負」になった感は否めないですが、それにしても圧巻のパフォーマンスだったと言えるでしょう。他にも、前走フェブラリーSの大出遅れ、前々走東京大賞典の出来もう一つ競馬からの巻き返しも想定外で、とにかく「異例」の言葉が並ぶレースでしたね。あと強いのは間違いないものの、どこかあまのじゃく感もあって、期待されるとこけて、少し疑われているあたりで走って来るタイプのようにも思います。それと「決め手はある」のも間違いなくて、前走回顧記事でも示したように状態さえ整っていれば、かなりのパフォーマンスを示せる馬なのも確か。スピード対応も、パワー勝負にも向く万能型で脚が溜まれば必ず差し込んでくる、地方&中央問わず走れる器用さもあると。ポテンシャルホースであるのは間違いないですね。
(フェブラリーS3着)
ゲートで躓いて落馬寸前のスタート。かなり遅れを取ってのレースになりましたが、直線ではまさかの猛追。12.3-10.9-11.4-12.0-12.5-12.1-12.0-12.4、前半34.6秒、後半36.5秒というレースラップで、前がきつくなっての差し競馬ではあったものの、あの出遅れからの大外回し3着ですからね。こんなに走って来るとは果たして誰が想像できたでしょうか。浜中騎手曰く「最近の中では一番良かった」とのこと。そうした状態の良さがあの脚力を生んでいたんでしょうね。こうなってくると「復調」の二文字も見えてきます。どんなレースにも対応できる「幅」を持った馬なので、状態さえ戻れば、再びダート重賞戦線の主役になれると思います。
(東京大賞典3着)
向正面でのペースアップに付きあって押して行くも、思いのほか追走できず。付いて行ったこと、それがラストの脚の鈍りにつながったとの評です。ただ、そうであっても、当馬の実力を思うと物足りなかったですね。状態面はアップしていたと思うんですが、今年の前半の強さは影を潜めてこじんまり収まってしまった感じ。やはり帝王賞のダメージが大きかったのでは、と思います。JBCクラシックの負け方がどうしても引っ掛かっており、そこからの今回、このパフォーマンスだと「戻り切っていない」とみたいですね。どんな条件でも自分の力を出し切れる頑張り屋だけに、あの輝きをもう一度、ですね。現状、小さくまとまっている感じがします。
(JBCクラシック5着)
スタートから行き脚付かず。勝負所でも追走するのがやっとの状況で、終始バタバタ。直線では前を捕えるどころか、クリノドラゴンにかわされての5着。期待を裏切る走りとなりました。前走帝王賞回顧記事で懸念材料として示した「レースの反動」、それがもろに出た感じでしたね。今年に入ってどんな条件でも崩れずに走れた馬がいきなりの凡走。敗因は間違いなく「状態面」でしょう。それが肉体面によるものか、精神面によるものか、ここは悩ましいですが、どちらもあり得ると思っていて、後者に関しては気楽な立場での激走帝王賞、それで気持ちの糸が切れてしまった感はあると思っています。次走は東京大賞典を予定していますが、パイロ産駒の特徴としてミューチャリー、デルマルーヴル、クインズサターンのように惨敗後、しれっと走ってくることはあり得る話。一方で、ポキッと折れてしまったような負け方にも見えたので、人気するようなら少し疑いの目で見たいですね。
ノットゥルノ(川崎記念8着)
1周目のホームストレッチで外からテリオスベルに被せられた時にカッとなってしまったのか、1コーナーの入りが行きたがってしまい、武騎手が抑えるのにひと苦労。そこから向正面のペースアップに付いて行けず、あとはズルズル後退。この馬の持つ気難しさが出てしまいました。ただ、前走回顧記事でも書いたように私は半信半疑の部分があって、過去の負け方を含め、どうも「強い」とは思えいなんですよね。東京大賞典は上手くはまりましたが、基本的には過大評価は禁物の馬だと思っています。
(東京大賞典2着)
スタート後、行きたがる素振りを見せたり、外から被されて嫌がるなど、気性面の難しさを見せた当馬。そこを上手くなだめた武騎手。コーナリングで3番手のインを確保したのも見事でした。さらに素晴らしかったのは捲り競馬に付き合わなかったこと。前を行くショウナンナデシコ、カジノフォンテンが行かざるを得なかったのに対して、こちらは差しに回っても大丈夫なタイプ。メイショウハリオがペースアップに付いて行ったのに対して、あそこで我慢出来たのは鞍上の差でしょう。それが最後の直線の脚色の違いとなって表れました。勝ち馬の切れ味には屈しましたが、この馬の弱点をしっかりカバーして、ペース&馬場を読み、コース特性を理解しての満点騎乗をした武騎手、そして、これまでのレース経験をしっかり生かしたノットゥルノ、私には盲点の好走になりました。今年の東京大賞典はメンバーレベルが今一つでしたし、好騎乗の大きなアシストがあったのも事実。「東京大賞典2着」という言葉の響きを過大評価せずに、とは思います。前走、前々走の負け方を見ると、思ったより強さは見せたが、まだ半信半疑の部分はある、との考えです。
(チャンピオンズC8着)
1角に入る時にテーオーケインズを入れさせない武豊騎手の巧みな技が飛び出すも、肝心の当馬が勝負どころで反応なし。前々走はかなり恵まれて勝ったJDDで、前走は古馬の壁にぶつかっての敗戦、そして今回…、そう考えるとまだまだ実力不足だなと思いますね。
オーヴェルニュ(チャンピオンズC9着)
ルメール騎手が完璧に乗ってあとは伸びるのみ、というところまでエスコートしても伸びない。しかも、得意の中京D1800m戦。それでこの内容なら厳しいですね。前走も「あれ?」と思うような失速振りでしたが、今回はそれ以上でした。どんどん買いづらくなってきましたね。
(JBCクラシック6着)
好位インでレースを進め、流れに乗っての形。好調時であれば、あそこからインをすくってのパターンでしたが、3角のペースアップに付いて行けず失速6着。右回りより左回り、先行勢有利のコース形態&展開という恩恵がありながら、見せ場作れずの敗戦。これは能力落ちと見られても仕方ないですね。メイショウハリオと差のない6着とはいえ、あちらは明らかに本調子ではなかったですからね。レース内容を思えば「特に強調材料が見えない一戦」との評価で仕方なしです。
ライトウォーリア(川崎記念5着)
着順だけ見ればよく頑張ったと言えますが、前4頭には相当離されてますからね。ペイシャエス&ノットゥルノは全く力を出せずの敗戦ですし、あの2頭に先着したからと言って特に評価を上げることはないかなと。テリオスベルに被せられペースを乱されたり、向正面のペースアップからのズブズブ競馬で大失速しなかったことなど、それなりに良い場面はありましたが、交流重賞という括りで見れば「中の下」という感じですね。
プロミストウォリア(アンタレスS1着)
抜群のスタートという訳ではなく、内のダイメイコリーダ、メイショウカズサが抑えたことに加え、2ハロン目10.6秒を計測する加速力でハナを取り切って1コーナーへ。ラップは12.4-10.6-12.5-12.0-11.9-12.1-12.2-12.5-13.3、前半35.5秒、後半38.0秒という超ハイペース競馬となりました。こうなるとスピード対応出来ない先行勢は脱落してしまうのが阪神D1800m戦。そこをしのぎ切っての1着ですからね。これぞS厩舎馬のポテンシャルでした。前走は恵まれ感が強かった完勝劇でしたが、今回は自分からつかみ取った勝利との認識で「逃げた時の強さ」を再確認。ただ、依然として「逃げることが出来なかった時のパフォーマンス」への課題は残っていて、さらに今回は逃げるために強引に押して主張してるんですよね。それが重馬場とはいえ、2ハロン目10.6秒という高速ラップを刻んだ訳で。相手がヴァンヤールだからしのげたものの、その上のレベルとなると厳しさは出て来るでしょうね。逃げ馬にとって鬼門の阪神D1800mの上級戦でハイパフォーマンスを見せたものの、まだ一線級と対峙していないこと、さらに脚質の幅が広がっていないこと、この2点は抑えておきたいですね。
(東海S1着)
当馬にとって最も重要な1角の入りを無事クリアして、後は楽逃げ。13.2-11.6-12.8-12.6-12.4-12.2-12.1-11.9-12.4、前半62.6秒で行けて、そこからの加速ラップも難なくこなしての快勝。2着馬がカラ馬による不利を受ける状況も追い風に初挑戦にして重賞制覇となりました。大跳びのパワー型で、サンライズホープの逃げ馬バージョン。直線でグイグイとギアを上げて行く様子はとても良く似ています。と思って血統を見たら父マジェスティックウォリアーでドンピシャでした。とにかく、この種牡馬の産駒は大味タイプが多く、逃げられなかった時や包まれた時のもろさを持っています。今回に関しても先行有利コースでノンストレスでのマイペース逃げですからね。鞍上の上手さもありましたし、レース幅が広がった訳でも、苦しい競馬を経験した訳でもないので、過大評価は禁物でしょう。「S厩舎馬らしく高いポテンシャルを持っているのは間違いないが、あくまでも得意パターンでの勝利」と見たいですね。
ジュンライトボルト(チャンピオンズC1着)
内枠を生かしての馬群競馬。ダートに路線変更してからスッと外に回す競馬ばかりしてきたんですが、そこで見せた密集競馬での我慢。あれが勝因でしょうね。もう一つは何気に武豊騎手のテーオーケインズ潰しの漁夫の利を得ていて、1角に入る時、ノットゥルノが外にテーオーを追いやったその内側にスッとは行ったんですよね。あれは石川騎手にとっては棚から牡丹餅だったと思います。それでも、その後、我慢に我慢を重ねての末脚爆発は、やっぱり力ないと出来ないですね。それこそ、完璧にレースを進めていた馬もいましたからね。それであの脚力、ほんと見事でした。「チャンピオンズCは芝向きのスピードが問われる」として、最後の最後まで有力馬2頭目で迷って逆を引いてドボン。ハピの走法も芝向きの伸びやかさを感じていただけに自分の「走法」を見る目を信じて、芝向きのスピードを持っている当馬を選ぶべきでした、反省。一応、確変モードに入っていますが、あそこまで爆発力を見せると逆にしぼむときも早いので、そこの見極めは重要。まだ断然人気を背負ってレースしていないのと、ダートの勝ち星はすべて左回りの長い直線でのもの。それこそ、グリグリ人気になっての地方替わりのタイミングは危ないかもしれません。強い競馬をしたのは間違いないが、ダートの経験値はまだ足りない、という感じです。
(シリウスS1着)
スタートを少し押して位置を取りに行き、前を見ながらの7番手を確保。向正面では密集する前6頭とノンストレスのジュンライトボルト、横にアルドーレ、そして、少し開いて後続の隊列。前を見ながら競馬が出来る絶好位を取ったこと、これが勝因の一つ目。あとは3~4コーナーで迷いなく外に進路を取ったのも大きかったですね。前を行くハヤブサナンデクンの外の進路をカットして内に追いやったのも、石川騎手の上手さ光るファインプレーだったと思います。最後ハピに詰め寄られはしたものの、しっかり残して1着。芝からダート転向後、破竹の勢いで重賞制覇。首高走法も、ピッチの速さでカバーしているスピードタイプで、今回の良馬場にも対応して見せたのであれば、この先は明るいですね。友道厩舎は芝はS評価、ダートはC評価。というのも、実はこれまでダート重賞を勝ったことがなく、当馬が22年目で初ダート重賞勝ち馬となりました。今回はスタートからゴールまでノンストレスで行けたので、まだ本当のタフ競馬というのは経験していないので、そのあたりでどうかですね。一つずつステップアップしている、そういう状況だと思います。
ハギノアレグリアス(平安S2着)
勝ち馬に完敗も、堅実さを示した一戦。7.3-11.3-11.8-12.9-12.6-12.3-12.2-12.9-13.0-13.5というレースラップで、ラスト2ハロンはなんと13.0₋13.5の失速ラップ。それだけ前半脚を使わされた訳ですが、案外、こういうレース質は得意ではないのかもしれないですね。みやこS、東海Sともにゆったり入っての上がり勝負、そう考えると少し守備範囲からズレた展開になったと言えるかもしれません。それでも、ちゃんと2着に来るあたりは地力がある証拠。今後もどんな条件でも走れる安定型として考えていきたいです。
(名古屋大賞典1着)
自分の形に徹して競馬をすれば自ずと結果は出る、昨日の川田騎手も自信を持って乗っており、それが最後の差し切りに繋がったように感じました。道中は自分のペースを守っての中団待機策でしたが、少し力んで走っていたように思え、決してリラックスして楽に追走という風には見えなかったです。一方、2周目の向正面からのペースアップには自然と対応、直線を向いた時には「抜け出して2馬身差勝利」のイメージでしたが、まさかのインからの強襲。最後は何とか差し切っての勝利となりました。ケイアイパープルの善戦は予想外だったにせよ、しっかり勝ち切ったのは評価すべき。また一昨日の馬場状態から内でも十分勝負になる状況だったのと、2着馬とは「距離ロス」において大きな違いもありました。ケイアイの藤岡康騎手のファインプレーあっての100点満点騎乗と85点騎乗の差でもあったとの認識です。つまりポテンシャルで言えば、ハギノアレグリアスの方が上だということ。初の地方ダートでの距離延長戦、単勝1.2倍という状況、それらを加味すれば、着差以上の強さがあると見て良いでしょう。ハイレベル戦のみやこS、二度の大きな不利を受けた東海S、そこから「苦」を感じるレースでの重賞初制覇。先に繋がる内容だったと言えるでしょう。前半少し行きっぷりが悪い点やキレよりもパワーで押しきろうとする点、また適性に関しては「中央>地方」だとは思っており、地方で突き抜ける強さはまでは感じなかったですが、ポテンシャルホースであるのは間違いないので、そのあたりを踏まえてですね。
(東海S2着)
内枠を生かして好位を取ろうとするも、思うように先行出来ずの6番手。川田騎手はおそらくもう一列前を取りたかったはずで、あのあたりは勝負のアヤでしたね。レースラップは13.2-11.6-12.8-12.6-12.4-12.2-12.1-11.9-12.4、分かりやすい後継ラップの前残り競馬。4角からは何とかしようと被せて追ってきましたが、そこにカラ馬が蓋をしてきて、さらに直線では斜行されて万事休す。最後の直線の不利がクローズアップされてますが、私は1角の入りの方が問題だと思っていて、あそこで思うように位置を取れなかったのが大きかったと見ています。1、3着馬は自分の形に徹しての好走でしたが、当馬は不利と不運が重なっての2着、私には「負けて強し」に映りましたね。みやこSの好走は伊達ではないですし、この馬の評価は下げる必要はないでしょう。