この16年間で残り1000m地点の通過タイムレベルを表わすL5追走指数が20オーバーとなる中間点先頭馬は7頭、10オーバーが5頭。ちなみに同じ芝2000m戦での比較例を挙げるなら昨年の札幌記念で逃げたパンサラッサが+20、天皇賞・秋が+29。パンサラッサほどの超強力先行馬でない限りL5追走指数が20オーバーというのはオーバーペース以外何物でもないレベルであり、秋華賞はやたらとペースが上がってしまうのが目に付きます。唯一例外的レースとなったのはジェンティルドンナが勝った2012年。ハナに立ったヴィルシーナが早々と超スロー状態に落とし、最後方にいたチェリーメドゥーサがバックストレッチで一気に先頭に躍り出たレース。ジェンティルドンナが負ける可能性が高くなる紛れの起きやすい絶好の展開でしたが、後半1000mのラップタイムレベルを表わすL5指数で唯一の20オーバーとなる+21をジェンティルドンナが叩き出し、何とかハナ差で牝馬三冠を達成しました。実際にはあり得ないことですが、みんながリバティアイランドを何とか負かそうと考えるのならこの2012年のような超スローペースに持ち込むのは常套手段となりますね。他で印象的なのは2007年ダイワスカーレット。中間点を2番手で通過しL5追走指数はプラス15。自身かなり速いペースだったので有力馬との大きなマージンを築いていました。ところが残り1000~600mのレベルを表わすL5-3指数は-14と、他の年の上位陣と比べてもダントツの遅さ。築いたマージンを利用して余力を溜め込むような区間としていました。先に動いていった後続勢を待ち受けるようにダイワスカーレットは遅いタイミングでラストスパート。上がり600mのレベルを表わすL3指数が+12。昨年の同レースで豪脚に見えたスターズオンアースの上がり600mよりも補正タイム差にして0.2秒程度遅いだけ。これでは後続馬は影を踏むのさえ苦しい状況。緩急を最大限利用した見事なレースでした。