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2023年5月6日21:52 mdi-currency-jpy mdi-update 有料記事有料部分 - 更新時刻
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目次
明日行われるNHKマイルCのフル展望をお送りします。

<コース特性>

スタートから250m地点まで下りが続き、3コーナーまでの約550mある直線でペースが速くなる傾向あり。3コーナー手前の上り坂で一旦、ペースは落ち着くが、再度下りでコーナーに突入するため、なかなか息を抜くことができない。新馬からG1まで行われ、年間70レースが施行される東京芝のメジャーコースである。枠の優劣は少し外が良い程度。1番人気は全体平均レベルで推移、クラス間の差はそこまで大きくない。逃げ馬はクラスが上がるごとに逃げ残りが厳しくなる典型コースと見て良い。上がり最速馬の馬券率は高く、クラスを問わず重要項目。新馬は先行有利、未勝利、2勝&3勝はフラット、1勝、オープンは差し有利と、クラスによって使い分けが必要。重賞は差し馬から入りたい。騎手はルメール(58%)、川田(45.8%)、戸崎(38.7%)、田辺(34%)、関東所属は戸崎と田辺の2強、東京1400mと同じくルメールの得意舞台と見て間違いない。社台系はノーザンF(39.2%)、社台F(24.8%)、追分F(24.6%)、社台C(23.7%)。厩舎は、S評価が他を圧倒、そこにD評価が加わる形。重賞になると完全に「厩舎力コース」と化す。近パとの相性は可もなく不可もなく。クラスアップに伴い、差し馬のシェアが増えるコースで、オープン以上では差し馬を狙うのがセオリー。サウジアラビアRC、アルテミスS、クイーンCなど若駒重賞は東京マイル適性よりも能力重視、逃げ馬の一発や1800m経験馬に注目。一方、夏前の高速馬場で行われるNHKマイルCはど真ん中の東京マイル適性、同じく高速馬場になりやすいヴィクトリアマイル、安田記念も東京実績が問われるレースになりやすい。また2月開催の東京新聞杯は立ち回り勝負になりやすく、ここで求められるのは意外にも中山マイル適性や小回り1800mへの対応力。また混戦メンバーになる富士Sは人気落ちのリピーターの復活の舞台。「重賞」によって様々な表情を見せるのが東京マイルの大きな特徴である

<厩舎力>

2020年 C-D-S
2021年 A-D-C
2022年 S-C-D

<近走パフォーマンス>

1位 100 カルロヴェローチェ
2位 99 モリアーナ
3位 98 エエヤン
4位 97 タマモブラックタイ
5位 96 オオバンブルマイ
6位 95 ドルチェモア
7位 94 ショーモン
8位 93 ウンブライル
9位 92 ダノンタッチダウン
10位 91 セッション
     シングザットソング

2020年 3位-1位-6位
2021年 圏外-9位-2位
2022年 1位-8位-圏外

<近パ妙味馬>

予想時に更新

<人気別成績>

1番人気 (2-1-1-6)
2番人気 (3-2-1-4)
3番人気 (1-1-0-8)
4番人気 (1-1-0-8)
5番人気 (0-0-0-10)
6番人気 (1-1-2-6)
7~9番人気(1-1-3-25)
10番人気以下(1-3-3-83)

2013年/馬連21890円・3連複137530円(10-6-8)
2014年/馬連14760円・3連複188380円(1-17-12)
2015年/馬連2800円・ 3連複6200円(3-4-2)
2016年/馬連940円・3連複11190円(1-2-12)
2017年/馬連17290円・3連複50600円(2-13-6)
2018年/馬連3140円・3連複21840円(6-2-9)
2019年/馬連17200円・3連複97390円(2-14-7)
2020年/馬連4200円・3連複19620円(9-1-6)
2021年/馬連3690円・ 3連複3540円(2-7-1)
2022年/馬連2490円・3連複416750円(4-3-18)

<レースラップ>

2018年(良)12.1 - 11.1 - 11.2 - 11.9 - 11.7 - 11.3 - 11.5 - 12.0
2019年(良)12.0 - 10.4 - 11.5 - 11.9 - 12.0 - 11.3 - 11.3 - 12.0
2020年(良)12.3 - 10.4 - 11.4 - 11.9 - 12.0 - 11.3 - 11.2 - 12.0
2021年(良)12.2 - 10.2 - 11.3 - 11.6 - 11.6 - 11.4 - 11.4 - 11.9
2022年(良)12.2 - 10.5 - 11.4 - 11.5 - 11.8 - 11.1 - 11.5 - 12.3

<出走馬分析>

フロムダスク(京王杯2歳S2着)
果敢にハナを主張しての粘り込み2着。首を上手に使った伸びのあるフットワークで、いかにも短距離ホースという雰囲気。戸崎騎手が思い切って乗ったのも良かったですし、ワンペース競馬への適性の高さ、それも見ましたね。一方で、内伸び馬場のアシストがあったのは間違いなし。4角1~3番手で決まったレースでもあるため、過大評価は禁物でしょう。スピード感ある走法や東京1400mで見せた粘り腰を思えば、フロックとは言い切れないので「恵まれた」と見られて再度人気しないなら、買って妙味ありと思います。

モリアーナNZT4着)
スタートから終始外。武藤騎手は「外枠の分、外を走らされて道中で脚を溜められなかった」と言っていましたが、どう考えても進路取りのミス。外枠だからという言い訳をするなら、2着に来たウンブライルはなぜ来れた?という話ですし、そもそも、ポテンシャルが高いのはこちらの方。予想時にも懸念していた「不安は鞍上」が悪い形で的中してしまいました。人気2頭が前に行って、バグダラスがドルチェモアに競り駆ける展開、まさに「差し馬台頭のチャンス」だった訳で。しかも、先週からの外差し馬場継続と、そんな中、なぜ距離ロスをしながら位置を取りに行ったのか。これは馬の力を掴めていない、または信じ切れていない証拠です。というのも、この馬の場合、前に残される負け方はあっても、後ろから差される負け方は絶対してはいけないと思うんですよね。良い馬なので乗り替わっても人気は落ちないでしょうが、乗り替わってあっさり勝ってしまうシーンは大いにあると思っています。馬がダメになる前に、ですね。

(クイーンC3着)
スタートで立ち遅れ、そこから後方で脚を溜めての外回し。猛烈な勢いで追い込んできましたが、スタートのミスが響いての3着という内容でした。ググっと馬体が詰まった筋肉質なタイプで、バネ感は私にとってはカデナのイメージ。馬体派は総じて高評価を与えていましたが、それも分かるパドックの雰囲気でした。一方で、重い印を打てなかったのは鞍上への不安。重賞複勝率5.7%の重賞未勝利騎手はどうしても信頼できず。リカバリーしたとはいえ、あのスタートの立ち遅れはそこに由来するものではないかとついつい思ってしまいます。父親の管理馬に息子が乗る、藤岡親子もそうですし、池添兄弟も「血縁」で見ればそうなんですが、厩舎力と騎手の腕を考えると、一枚も二枚も落ちるのは間違いなし。だからと言って乗り替わって人気して飛ぶ、なんてこともざらにありますからね。この先の取捨はほんと難しいのですが、「馬は良いので、騎手の成長待ち」、このあたりが妥当なラインかなとは思っています。「2歳初期の札幌1800m好走馬に外れなし」、2着馬と共にそれを改めて感じたレースになりました。

ウンブライルNZT2着)
大外スタートの不利はありましたが、前掛りの展開と読んでスッと控えたルメール騎手の好判断。12.2-11.5-11.3-11.5-11.2-11.9-12.1-12.0、前半35.0秒、後半36.0秒、外伸びの差し競馬に見事対応させての巻き返し2着。ルメール騎手の上手さとS厩舎馬のポテンシャルを感じる走りとなりました。前走を含めた凡走についてはどうやら「集中して走っていなかった」とのことで、今回、ブリンカーを付けたことでその点は大きく改善されていました。前走後、ルメール騎手が指摘した部分でもあり、それをしっかり修正してくる厩舎力とそれに応える一流騎手はさすがでした。前掛りの展開を読めずに追いかけた面々は軒並み失速していましたし、伸びない内に進路を取った組も苦しんだレース、漁夫の利という面はあったにせよ、瞬時に外伸びの差し競馬として狙い撃ちしたのは素晴らしかったです。今後はブリンカー効果がどこまで続くか。あとは溜める形を覚えたことで、レースの幅が広がったというのも良いですね。私は1400m適性馬だと思っていましたが、この馬場で対応出来るなら、マイルでも十分やっていけるのでは、と感じました。

(クイーンC6着)
ルメール騎手は「ズブい。ブリンカーが必要。」と話していましたが、私は「距離適性」を感じたラスト1ハロンの止まり方に見えました。大外スタートからの距離ロス競馬にはなりましたが、それでも、ルメール騎手はほぼ完璧にエスコートしていましたからね。強い馬であれば、最後もっと詰め寄ってきますし、あそこで止まるのは1400m適性馬だから、という見方。マイル実績がない中、人気先行だったのもあり、まさに「危険な人気馬」になっていましたね(苦笑)。同じS厩舎馬でも正解はハーパーの方でした。レースラップは12.2-10.9-11.4-11.7-11.8-11.3-11.6-12.2、3歳牝馬重賞では珍しいハイペース競馬となり、地力が問われたレースだったので、そこで足りないのであれば、一流馬のそれではないということ。基本的に人気先行になりがちなので、「怪しさ」を持って付き合うべきと思います。狙いとしては距離短縮、これでしょうね。

ショーモン(アーリントンC3着)
大跳びのパワフル走法馬。鮫島克騎手は「出方次第でハナも考えていた」とのことでしたが、ユリーシャの動きを見て2番手競馬を選択。以前も示した通り、私の中ではトウシンマカオと重なる部分があって、反応ゆったり目のギア重めタイプとの評。今回は不良に近い重馬場で、12.5-10.6-11.0-11.7-11.9-11.8-11.6-12.8、前半34.1秒、後半36.2秒という前傾ラップ、しかも、当馬を含めた先行勢が早めにユリーシャを捕えに行ったことで脚が上がる読み違え競馬に。シルヴァーデュークを差し返したとも見れますが、正しくは失速した者同士の根性比べだったように思います。跳びの大きさを考えると先行出来るなら内枠が良いですが、かつて見せたスタート失敗となれば包まれて終了となる懸念あり。ゆえに外目の枠の方がレースはしやすいのでは、と思います。あとはギアチェンジがさほど効かないので、メンバーアップとなると厳しい感じは否めないですね。低レベル戦だったので通用したという認識です。

(デイリー杯2歳S3着)
新馬戦はゲートアクシデントがあって外枠発走に。跳びの大きい当馬にとって、外枠は願ってもない好条件で、結果、あれこれありながらも、しっかり2着に走っていました。続く未勝利戦は6枠からスタートを決めての先行押し切り。ギアチェンジ力はないが、バテない強さを持っていて、それが今回も発揮されたとの認識です。スタート後、オールパルフェに被されて引いたのは痛恨で、あそこでグイっと押していれば、どうだったか。ただ、ああなってしまったのは最内枠というマイナス面があったからで、この手の跳び大きめパワフル走法馬は外枠でこそだと思います。ラストのギアチェンジ力はないと見るので、それを求められる条件は割引。私の中ではトウシンマカオのイメージで、前々で受けて立つ1400m適性馬との見立てです。「距離短縮&外枠」、これを買いのサインとして挙げておきます。

シングザットソング(桜花賞7着)
悪い競馬はしていないが、フットワークがこじんまり収まる伸びないちょこちょこ走法ゆえに高速馬場のマイル戦には太刀打ちできず、という感じ。フィリーズR回顧記事で指摘した「1400m適性を見せすぎた」、これに尽きますね。今回は「ザ・阪神マイル適性」の問われたレースであり、1400m適性馬が太刀打ちできなかった桜花賞。先行出来たり、インで脚を溜めたりと、少しずつ技を身に付けているので、それを生かせる適距離で、ですね。レース前と見立て変わらずです。

(フィリーズR1着)
課題に挙げていたスタートを決めて前をみながらの外。レースラップは11.8-10.3-11.1-11.7-12.0-11.8-12.0、フィリーズRパターンと言える2ハロン目に10秒台を刻んで、3ハロン目に落ちずに差し競馬になる、まさにそういうレースになったんですが、この馬は強気に前を追いかけて勝ち切っていますからね。私の予想より二、三枚上の力があったと思いました。新馬戦からレースチェックしたんですが、こんなに強いレースをするとは思えず。「S厩舎馬のポテンシャル」と言えばそれまでなんですが、前走もかなり不器用な競馬で差して来ての3着で、そこから今回の1、2番人気は「買うタイミング」としてはズレると見てしまいました。厩舎力に振った予想でS厩舎を外すのは大反省なのですが、それにしても強い競馬でした。一方で、気になるのは「1400m適性を見せすぎたこと」。このラップタイムで強気に攻めて押し切るのは1400mに高い適性があるからで、私はマイルになると戸惑うのでは、と見ています。難なくクリアしてしまうのもS厩舎馬ではあるんですが、私は「1400m適性を見せすぎた」という逆の目の方を考えたいですね。

エエヤンNZT1着)
スタートを決めた後、前に壁を作って掛かるのを防止。レースはドルチェモアが逃げて12.2-11.5-11.3-11.5-11.2-11.9-12.1-12.0、前半緩まず、さらにラスト4ハロンからもペースアップ、前に行く馬にとってはかなり過酷なペースになりました。しかも、3~4角ではバグラダスの三浦騎手がドルチェモアを突きに行く形。勝負の分かれ目は「その時」にあって、Mデムーロ騎手は敢えて動かず、外に進路を取るようにしたこと、それが大きかったと見ます。とはいえ、レース質は完全に「外差し競馬」。それを3番手で耐えて突き放すんですからね。これは相当強いです。前走の勝ち方も素晴らしかったですが、今回のインパクトはそれ以上。2歳チャンピオンは伸びしろ微妙の自滅競馬だったので、力でねじ伏せた訳ではないですが、またしても急坂で失速せずに駆け上がっての1着はかなり評価が高いです。-10㎏と大幅に減らした馬体がどうなのか。中山から変わってどんなパフォーマンスをするのか。このあたりはやってみないと分からないですが、他の競馬場でこれ以上のパフォーマンスは厳しいと思いつつ、立ち回り力とラストの踏ん張りを思えば、東京、阪神でも、それなりに走って来ると思います。

オールパルフェ(スプリングS7着)
鞍上は「馬場に泣いた一戦」との評ですが、コーナー4つのトリッキー中山への適性、これも多分にあったと思いますね。2レース前のスピカSで先行してラチを走った馬が残っていたのを見て、もしや!?と思いましたが、その競馬をしたのは好発を決めてハナを叩いたグラニット。こちらは番手で構えて伸びあぐね、という競馬になってしまいました。前日の雨の影響で土が舞う重馬場、そこで本来のスピードを出せなかったのは間違いないので、舞台替わりのスピード馬場での内枠が見直すタイミングでしょう。距離はマイルが良いと思います。

(デイリー杯2歳S1着)
大外からインに向かって切り込んでいき、最内から先行するショーモンを引かせてハナを主張。前半4ハロン47.3秒という理想的なラップで入り、ラストを34.2秒でまとめる完璧な競馬を披露しました。相変わらずのパワフル前掻き走法で、ブレない重心、バテない強さを発揮。勝負を分けたその時は「ショーモンを引かせた」、あの場面と思います。現状逃げてどこまで粘れるか、という引き出ししかない馬。それゆえ腹を括って攻めることが出来たのも勝因の一つと思います。若駒戦だと有力馬は「折り合い」を意識するため、ノーマークで行けた逃げ馬が残るというのはよくある話。今回はダノン以外が微妙なパフォーマンスだったのも、それに拍車をかけたと思います。現時点での完成度の高さと自分の型を持っている強さ、それを追い風にしての重賞勝利との見方です。F厩舎という全く持って信用できないバックボーンはあれども、馬自体は良い武器を持っていると思います。今後、他馬が成長してきたときにどこまでレース幅を広げていけるか、そこでしょうね。ゆくゆくは距離を詰めての1400m適性馬になっていくのでは、と思っています。

セッション(アーリントンC2着)
好位でレースを進めて直線では前を行く面々を捕えるも、仕掛けが早く最後はオオバンブルマイに差されて2着。団野騎手が「もったいないレースをしてしまった。早仕掛けが敗因。勝てたレース」と話したのがすべてでしょう。ユリーシャの大逃げを見て、ショーモン、シルヴァーデュークと共に動いたタイミングが早かったのが失速に繋がったのは間違いないですね。12.5-10.6-11.0-11.7-11.9-11.8-11.6-12.8、前半34.1秒、後半36.2秒というラップを見ても分かる通り、ラスト1ハロンの12.8秒は掛かりすぎ。最後は左にヨレるなどバタバタになりましたが、一方で、粘り腰を発揮して残したのは評価できる点。好メンバーと対峙したディープ記念から大幅メンバー弱化の今回だったからこそ、耐えることが出来たと言えるでしょうね。総括すると、それなりに力は示したが、同時に相手に恵まれた一戦でもあった、という感じですね。

ナヴォーナ(アーリントンC7着)
キャリア1戦の中、上位人気に支持されての一戦。新馬戦の緩い競馬から重馬場の阪神マイル戦替わりはどう考えても厳しかったはずで、それでいて3番人気ですからね。「過剰人気」として見て切ったのですが、レース後の感想は「私が思ったよりも強かった」というもの。7着ではありましたが、最後までしっかり伸びていますし、外に回した馬に厳しいレースで、この内容なら悪くないでしょう。川田騎手は「幼さ」について言及していましたが、そこが成長していけば、もっとやれる馬だと思います。今後に繋がるものになったとの見方です。

オオバンブルマイ(アーリントンC1着)
スタートを五分に決めて道中7番手追走。以前はインピタからの抜け出し競馬で結果を出していましたが、前走は出遅れからの外回しと、全く違う競馬をしていました。そして今回は中団の位置を取っての外回し差し込み競馬。最後、猛烈に脚を伸ばしてきたように見えますが、あの脚を使っていても上がり最速ではなく、上がり2位。強烈な末脚に見えたのは、早仕掛けが祟って失速した先行勢のところを差して来たからで、実際は見た目のインパクトほどではなかったと思います。前走朝日FSでの経験をしっかり生かしての差し切りであったこと、武騎手が先行勢の早仕掛けにお付き合いせず、しっかりと狙っていたことなど、こうした後押しがあったのも見逃せないポイント。そこに加えて超が付くほどの低レベル戦との見方。今回は「経験で勝る当馬の強みが出た」という感じで考えています。それなりに走れども、世代トップクラスのマイラーと比べると決め手の部分では見劣るような気がしますね。

(朝日杯FS7着)
ルメール騎手曰く「ゲートの中でチャカついて」とのこと。内枠を生かして前目に付けて抜け出す形を二度してきた当馬にとっては未知のレースになってしまい、しかも、距離延長の外差しと、かなり条件的には厳しかったですが、それでも伸びて来てますからね。すべてがはまった前走京王杯2歳Sに対して、今回は地力を見せて上がり3位をマークした朝日杯FSというもの、内容自体は悪くなかったですね。

(京王杯2歳S1着)
新馬戦と同じようにインで構えてラスト100mで抜け出す形。2歳馬でこれだけ鞍上に従順で器用に立ち回れる馬は珍しいですね。壁を作って脚を溜めて抜け出すパターンは競馬においては理想形の一つであり、それを2戦続けて出来るところに非凡さを感じました。一方で、買いづらかったのは新馬戦で斤量51㎏だったこと。減量騎手(角田大騎手)を乗せて、そこまで突き抜けてはいなかったんですよね。そこから+3㎏の外枠替わり。横山武騎手の見事なエスコートはありましたが、これらの条件を考えると買いにくかったですね。今後ですが、2走とも同じ手を使っていることから、レースの幅に関してはまだ未知数であること。特に外枠を引いた時は割引。+8㎏と馬体を増やしてきたとはいえ、422㎏とまだまだ小柄であること。これも気になる要素ですね。D厩舎という点も、先を考えると「う~ん」ですし、今回は「あっぱれのレース振りではあるものの、はまった感が否めない」という見方です。

シャンパンカラーNZT3着)
スタートを決めて様子をうかがいながらの6番手追走。包まれるのを避けたのか、内枠の利を捨てて外に進路を取る作戦を取った内田博騎手。その作戦自体は悪くなかったと思うんですが、コーナーで少しヨレたのはどうだったのか。その後、前掛りの展開でペースアップした4コーナー、エエヤンが前に来て進路をカットされる不利。レース後、内田博騎手はそこについて言及していましたが、それでエンジンの掛かりが遅くなったのであれば、やはり前走後に指摘した「小刻みなギアチェンジ力」、ここに課題があるんでしょうね。直線はキレる脚というよりは重めの脚でグイっと伸びての3着。モリアーナはロス競馬&早仕掛けでバテただけで、ドルチェモアは自滅、実質、差して来たのはウンブライルだけだったので、最後は伸びているようには見えたがとは思いました。一方でレースの上手さは若駒とは思えない上手さがあって、前走後に指摘した「距離短縮」での好走。今後は「ギアチェンジ力には課題あれども立ち回り上手の安定勢力」として付き合っていきたいですね。強さよりも上手さのタイプだと思います。

(京成杯6着)
パドックから元気がなく「あれ?」と思ったのですが、レースは前目に付けての王道競馬。レースラップは12.9-11.6-13.1-12.0-12.6-12.4-12.2-12.2-11.7-11.5、前半37.6秒の超スローで、後半35.4秒の分かりやすい後継ラップ。近2走と同じ入りとラストで2秒以上差のある瞬発力戦でしたが、それに対応できずズルズル後退。状態面なのか、適性面なのか。私はどちらもあると思っていますが、「ギアチェンジが効かない」というのは感じていて、この馬はワンペースタイプだと思うんですね。つまり、2000mは長いということ。中山マイルなら先行押し切りが叶いそうですが、スピード&スタミナ、器用さを始めとして総合力の問われる条件は適性からズレるのでしょう。前走の2着馬ヒップホップソウルも、フェアリーS(1番人気)を惨敗していますし、ちょっと過大評価だったように思います。距離短縮で、という感じですね。

ドルチェモアNZT7着)
休み明け初戦もあってか、ゲート入りを渋り、スタートしてからも掛かるようにハナを主張。12.2-11.5-11.3-11.5-11.2-11.9-12.1-12.0、前半35.0秒、後半36.0秒というハイペースを生み出して自滅というレースになってしまいました。先週のタフ馬場から再度雨が降ってのやや重が内馬場の利をなくしてしまったのも大きかったしょうね。ある程度、出して行っても、最後の急坂で踏ん張れるのでは、と思いましたが、そんなことはなく最後は失速。当馬の力はこんなものではないですが、掛かり気味に行ってしまう前向きな気性は相変わらずで、そこに下り坂スタートというのが逆に歯止め効かずを生んでしまったのかもしれません。伸びしろに関しては朝日杯FS後も懐疑的に見ていましたが、今回も改めてそう感じましたね。適性は中山<阪神<東京のイメージで、東京替わりでもう一度、見てみたいです。

(朝日杯FS1着)
絶好のスタートを切った後、上手くオールパルフェに行かせて3番手の内を追走。内伸び馬場とはいえ、前に行きたい面々が揃っていて、さらに距離延長組多数と、そういう状況で前受けして踏ん張るのは決して簡単ではないこと。それを見事やり遂げた人馬は素晴らしかったです。完成度の高さについては前走回顧時に示していましたが、ネックだったのは気性面。今回は絶好のスタートを切ったことでさらにその課題が露呈する可能性がありましたが、そこを上手く折り合わせた坂井瑠騎手は見事でした。海外武者修行、矢作厩舎の強烈な後押しなど、色々なバックアップがあるとはいえ、スタニングローズに続いて、こうして結果を出すんですから大したもの。ドルチェモアには4週連続で調教にまたがっていたそうで、そこで掴んだ癖などもあったのは容易に想像がつきます。少し重心が高く映るバランス型との評価で、テンの速さとラストのギアチェンジが効く、いかにもの良血馬。ダノンに比べると完成している部分が多く、伸びしろはあちらの方があるとは思いますが、今回、折り合えたように一つずつ課題をクリアしていってますし、引き続き、評価すべき一頭との見方です。さすがS厩舎馬の走りでした。

ユリーシャ(アーリントンC11着)
ハナを主張して刻んだラップは、12.5-10.6-11.0-11.7-11.9-11.8-11.6-12.8、前半34.1秒、後半36.2秒、不良に近い重馬場で、これだけ飛ばしたら最後垂れるのも当然。松山騎手は「男馬相手に頑張ってくれた。ヨーイドン競馬では厳しいのでセーフティーリードを取りに行った」とコメントしていましたが、完全にペースを見誤っていたとしか思えないですね。ガツンと掛かった素振りはなかったですし、もう少し何とかならなかったのか。実にもったいない負け方でした。ロスなく回った面々が上位に来ているのを見ると、もう少し溜める形を取っていたらとは思いました。父グレーターロンドンはピンかパーの競馬が似合うので、今回は割り切って、ですね。

カルロヴェローチェ(ファルコンS2着)
1600m~2000mで押さえが効かず掛かっていたS厩舎馬が人気を背負う形での距離短縮戦。案の定、掛かり発動の前半で、それを見た時に「ですよね」と思ったのですが、直線を向いてからはまさかの弾けっぷり。「あの状況で伸びて来るんだ」と感嘆のため息がもれました。武豊騎手曰く「ひっかかるね。行きたがるのをなだめながらだった。最後直線でさばくのに手間取って、勝ち馬に抜けられた感じ。ただ能力は高いね。」とのこと。これぞS厩舎馬のポテンシャルでしたね。幸いだったのは例年のハイラップ競馬ではなく、12.2-11.0-11.6-11.9-11.8-11.8-12.3というように前半落ち着いたこと。折り合いは欠いていましたが、あそこで暴発せずにいけたのが良かったですね。上手く捌けていれば間違いなく勝っていたレース。分かりやすいポテンシャルホースかつ癖馬なので、扱いは難しいですが、今回内枠を引いて我慢させたことは大きく、この経験は今後に生きてくるでしょう。一方、武騎手との相性は微妙な気がするので、継続騎乗なら毎度掛かっていく可能性あり。「力があるのは間違いないが、どの距離に出て来ても、折り合いを欠くリスクを抱えている」という見立ては変わらず。そこを踏まえて付き合っていきたいですね。こうした癖馬をどう仕上げていくのか、S厩舎の腕の見せ所です。

タマモブラックタイ(ファルコンS1着)
スタートを決めて4番手追走。内にカルナヴェローチェ、外にペースセッティングという人気2頭にはさまれる形でレースを進め、直線では幸騎手が見事なイン突き。レースラップは12.2-11.0-11.6-11.9-11.8-11.8-12.3、重馬場の影響あれども、例年のような前掛り競馬にはならず、先行有利のレースになりました。緩い馬場への適性の高さと、キャリア(7戦目)を生かした馬群競馬、そして、距離ロスを減らす幸騎手のエスコート、すべてが噛み合った勝利と言えるでしょう。2走続けての小倉1200m戦で、外から被せて行く形を取っていましたが、今回は距離延長での馬群競馬。低レベルメンバーとはいえ、そこに対応したのは素晴らしかったですし、ポテンシャルホースと接戦を演じれたのも大きな収穫になったはず。これまで中穴人気で走っていたので、受けて立つ側に回った時どうなるかですが、これだけレース幅があれば、そこまで気にしなくても、とは思います。陣営はNHKマイルCを目指すと明言していましたが、明らかに長いと思うので、出来れば葵Sを目標にして欲しいですね。

ミシシッピテソーロNZT5着)
位置を取りに行ったら良さは出ない、近2走とも同じコメントを残したのですが、今回はしっかり溜める形を選択。柴田大騎手にしては珍しく完璧にエスコートしていました。しかし、掲示板が精一杯。これで足らないなら、重賞で勝ち負けは厳しいですね。やるべきことはやっていますし、展開も馬場も味方しての結果。今後は「溜めての外回し競馬」でどこまでいけるかですが、人気薄での一発狙い条件戦、このあたりでしょうね。

(クイーンC15着)
レースラップは12.2-10.9-11.4-11.7-11.8-11.3-11.6-12.2、前半34.5秒、後半35.1秒、1000m通過58秒というタフなレースとなり、その中で終始外を回らされての強気先行策で最後は大失速。「荷が重かった」と言えばそれまでですが、当馬の良さは溜めての直線勝負にあると思うんですよね。前走フェアリーSでもそうでしたが、スタート決めて前受けしたところで良さは出ないと思うので、再度の先行策には「?」が浮かびました。ただ、多頭数の大外という距離ロス必至の条件はどうしようもなかったですね。もう一度、「溜める競馬」を見たいですね。

(フェアリーS7着)
予想以上に人気してしまったのもあり、鮫島克騎手は腹を括れず「ある程度の位置で」という安全策に。馬も気負っていて折り合いを欠いていましたし、人馬ともにプレッシャー競馬に潰されてしまった感じでした。直線で前が詰まる不利はありましたが、強い馬ならあの程度の不利は跳ね返しますし、総合力で劣ったということ。前走阪神JFの走りはフロックだとは思ってないので、人気落ちのタイミングで狙ってみたいですね。

ダノンタッチダウン(皐月賞18着)
4ヵ月の休み明けで2ハロン延長戦、しかも、重馬場に初の中山トリッキーコース、最後の失速を見るとこのレース選択がどうだったのか、と思ってしまいますね。最後、川田騎手は追うのを止めていますからね。レース後「現状、精一杯です」とコメントしていましたが、ここに出るなら、前日のアーリントンCの方が良かったのでは、と内心思いました。距離、コース、馬場、展開すべてが合わなかった不運なレースと言って良いでしょう。ダメージが残らなければですね。S厩舎らしからぬレース選択だったように思います。

(朝日杯FS2着)
どんよりというか、もさっと映るパドック、ゆったりのんびり構えた過去2戦。そんな独特のタイプが外枠に入って、さらに内有利馬場となって、川田騎手がどうエスコートするのか、そこに注目していましたが、彼の作戦は押して位置を取ってからのインピタ競馬。いや~恐れ入りました。そして、勝負どころで外に回してしっかり差して来ての2着。負けたとはいえ、色々なことをクリアして見せた中身のある2着との評価です。パドック派の初見は「出来ていない」だったようで、それで評価を下げた予想家多数。逆に「一頭だけ古馬が混じっている」と評した方もいて、このあたりは見解が大きく分かれていました。最後にドルチェモアに1番人気を譲ったのは、この馬独特の雰囲気をどう評価すべきなのか、という難しさがあったからと思います。このパフォーマンスをしても、馬が出来ていないとすれば、完成したらどうなるのか、非常に楽しみですね。ロードカナロア産駒らしからぬ中距離タイプで、サートゥルナーリアのように距離が持ちそうな印象があるので、この後、どう成長していくか、楽しみですね。川田騎手の見事なエスコートもありましたが、負けて強しの2着でした。

(デイリー杯2歳S2着)
後方待機からの大外ぶん回し、上がり33.1秒。新馬戦の何とも言えないパフォーマンスから急上昇してくるあたり、「これぞS厩舎馬」ですね。厩舎力コースでノーザンF生産馬の冠名ダノン。この言葉にすべて集約されてますね。前有利のレースで、勝ち馬がラスト3ハロンを34.2秒でまとめる展開。どう考えてもあちらが楽に残せる内容。そこをただ一頭猛然と追い込んできて1/2馬身差まで詰めてきた訳ですから、これは迫力がありますよね。ラスト2ハロン目はおそらく10秒台で走っているはずで、この条件でその脚を使えるとは全く思っておらず。とにかく私が新馬戦を観て抱いた印象の2枚くらい上を行く脚力でした。一方で、最後右ムチに反応したのか、少し内にもたれていたことや、バランスが良さそうには見えない滑り出すような前脚の捌き。そのあたりは気になりましたね。そこまで見栄えの良い走法ではないこと、メンバーレベルが微妙だったこと。このあたりを踏まえると「想像以上に強い競馬はしたが、不器用さを始めとする減点材料はいくつかあり、今回の走りを過大評価するのは禁物」という見方。人気を背負っての多頭数競馬で、今回のパターンではおそらく差し損ねるでしょうから、今後、鍵を握るのは「レース幅」になってくると思います。
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