特異な流れとなったのはジェンティルドンナが勝った2014年。後半1000m地点を先頭で通過したヴィルシーナのL5追走指数はマイナス20。古馬混合2勝クラス上位の先行馬が作るペースを基準値としているので、それよりも2秒遅い通過タイム。この年は実際には行われることのない未勝利2500m戦並みか、あるいはそれ以下くらいのかなりのスローの流れ。そしてジェンティルドンナのL1000~600mのレベルを表すL5-3指数はマイナス2。他の年の上位4頭は全てプラス値になっており、この2014年はただでさえ超スローでレースが進んだ上に残り600mまでもペースが上がらなかったわけです。この10年で上がり600mのレベルを表すL3指数がダントツなのはジャスタウェイ。公式上がり600mは33.4となっていますが実際には33.8。中山競馬場でこのような誤差が起こる理由は何度か説明してきましたが、簡単に言うと残り600m地点を通過するまでに先頭馬との差を詰めた馬は必ず実際より速いタイムで発表されます。そうやって差を詰めたジャスタウェイでもL5-3指数はプラス1止まり。ジェンティルドンナ鞍上戸崎圭太騎手の技術力がいかんなく発揮されたレースでした。他ではキタサンブラックが逃げた2015、2017年のL5追走指数が0~プラス1と2勝クラス並みのペースでしたが、他の年はまずまずG1らしい流れ。特にL5-3指数が軒並み一桁台後半のプラス値となっているように早い段階からペースアップするケースが多いです。ひと頃マイラーでも勝てるのが有馬記念と称されたことがあったように思いますが、おそらくメジロマックイーンを差し切ったダイユウサクが前走マイル戦を勝ち上がっていただけの理由であって、そのダイユウサク自身も同年の芝2000m金杯を勝っていましたからね。2500mを走り切る適性力のない馬が有馬記念で好走できる確率はゼロに等しいです。